その①
第3話開始の時間だオラァ!
※
「あー、そこそこ。もっと強く踏んでぇ……」
「うへへ、ここが良いんすか、ここが!? ウェヒヒヒ」
「あー、いいですわぁ、上手ですわぁ」
「……お前ら、何やってんだよ」
部屋へ戻ってくると、セカイが神奈崎を踏んづけていた。
一体どうしてこんなことになってしまったのか。神奈崎がついに何かに目覚めたのだろうか。
ちなみに、神奈崎が寝ているのはまるで高級ホテルみたいなふかふかのベッドだ。神奈崎があの黒服たちとセカイに設置させたものだ。これで俺たちの部屋の半分は埋まってしまう計算だ。
「何って何かしら? わたくしはただ、マッサージをしてもらっているだけですわよ。あー、効くーっ!」
ぐりぐりとつま先で肩のあたりを踏みつけられながら、本当に気持ちの良さそうな顔で神奈崎が言う。
「そうそう、マッサージっすよマッサージ。あ、さては真白のアニキ変なことを想像したっすね? もう、この色情魔っ」
一方のセカイはすさまじいゲス顔で俺を見た。
「誰が色情魔だよ。君には言われたくないな」
「そっ、それは遠回しにウチを変態とっ!?」
「はいはい」
俺は部屋の隅に教科書を置いて、畳んである布団の上に座った。
学校が始まってはや一週間。一通りの授業が終わり、明日から二日間は休みだ。
この二日の休みで家族のところへ帰るという人もいるらしい。が、俺の場合はわざわざ真白さんのところへ戻るような予定はない。
「あっ、あっ……ん……っ」
「ほらほらぁ、気持ちいいっすかぁ!? 体は正直っすねえ、ぐへへへ」
同居人が少々個性的である以外はなかなか悪くない部屋だ。住めば都とはよく言ったものだなあ。
「ただいまー……あ、皆さんもう帰って来てたんですね! 早いですねー!」
そんなことを言いながら戻って来たのはユイだった。
教科書の入ったバッグを床に置いて、いきなり制服を脱いでジャージに着替え始める。
「あ……っ!? 駄目ですわそんなところっ!」
「いいじゃないっすかいいじゃないっすか、ウチが快楽の深淵まで連れて行ってあげるっすよ」
「ん……っ、……ん? どこ触ってんのですわこの変態ッ!」
「かっ、神奈崎さんの肘がウチの脛にっ! ぐあああああ」
床を転がりまわるセカイ。
「あ、そういえばユイは休みの間どうするつもり?」
「私ですか? 特に何もすることないですねー。魔法の練習でもしようかな」
いつの間にかユイの着がえは終わっていた。
脱ぎ散らかされた制服が散乱している。
――なんか、こういうのに見慣れてしまった……。
この一週間の間、セカイは神奈崎やユイにセクハラまがいの行為をし続けているし、ユイや神奈崎も俺がまるで見えていないみたいに堂々と着がえるようになった。
そのおかげで、制服が散らばっていようが下着が放置されていようがあまり気にならなくなってしまったのだ。




