~僕の90日間勾留の場合
人生は何が起きるかわからない。
いいことはそう起きないが、悪いほうへは簡単にころげおちていけるもの。
ホントにこの頃を考えるとそう思う。
僕は当時、カジュアルバーを経営していました。
12月で忙しくなってきたこれからの時期で、さらにその日は2号店のライブハウスの契約をした日。
銀行が相手してくれないし、国の融資が時間がかかるのでサラリーローンで150万円借りて契約した。
物件は全てオッケーというものでもなく、これからかなり手のかかる物件で、実際はどうしようか迷っている気持ちもあったんです。
昼から契約で疲れていた僕は、お店の閉店の前の午前2時くらいに上がらせてもらった。
寒くなってきたけど、仕事柄お酒を必ずというほど飲むのでバイクを一週間前に買った。
一ヶ月前に車で酒気帯び運転で捕まったのだって、店から200mくらいの彼女のアパートまで車を移動させただけ。
「こんなんで代行使ってたらお金がどれだけあっても足らないよ」なんて思ってましたね。
結果は代行数百回分の罰金となった訳で、そこで懲りずに「バイクなら捕まらないだろ」って安易な気持ち。
まあ、そんな訳で寒い12月にバイクで帰る。
200m先の彼女のアパートの前に、腹ごしらえの買い物。こんな寒いときは鍋が便利だ。
主役は鮭を買って、あとは適当に野菜をぶっこんで煮込むだけ。
買い物をして、彼女のアパートへ向かう道を近道したんだ。
これが人生落っこちる道なんて考えもしなかった。確かに進入禁止の看板は見えた。
彼女のアパートの駐車場に着いたと同時かな?赤いパトランプに「止まりなさい」
やっちまいました。
「進入禁止の下に"軽車両を除く"ってあったからバイクはいいのかな?と思いました」
と弁明してみる。
警察官「その"軽車両"は自転車とかリアカーとかのことだよ」、「免許見せて」
ここまではまだ何とかなるんじゃないか?って思ってた。
警察官「お酒の匂いがするね?」ハイ、バレた~。
後部座席に乗せられてお馴染みになってしまった"飲酒キット"登場。
警察官「はい、これに息を吹いて~」
もう終わった、また罰金かよ。一体何十万になるんだろう。やっちまったな~。
なんて散々、頭の中で後悔。
昼から動いてクタクタ、お腹も空いてたしイライラしてたんで悪態をついてしまった。
僕「もういいでしょ!早く切符切って下さいよ」
免許を見ながら無線で何かやりとりしていた警察官は無言。
切符を切ろうとすることもないが、見逃してくれそうな感じは一切しない。
イライラした僕は何をいったか思い出せないが、とにかく悪態の限り。
10分ほどたって、運転席にいた上司っぽい警察官がボソッと言った。
「もう、いいんじゃないか?」僕「!?」
助手席の僕に言われ放題だった警察官が「○○時○○分確保」という言葉と同時に僕の腕は手錠が廻った。