序章~1~
よろしくお願いします
目が覚めるとそこは教室だった。
窓を見ると日は傾き始めていた。
どう考えても寝過ごしたな。
時計を見る。
五時過ぎくらいだ。
確か寝始めたのは一時頃だった気がする。
四時間も寝たのか。
昨日のイベントが効いたなー。
そんなことを考えながら教室を見回す。
まだ少し頭がぼんやりしていた。
当然だが、もう教室の中に人はいない。
教室の中は普段からは想像もできないほど静かだった。
ふと、人の叫び声と獣のうなり声が聞こえた。
その声は、校庭からから聞こえたらしかった。
・・・ん? 叫び声!?
そこで私の意識は完全に覚醒した。
慌てて校庭の方を見る。
そこには地獄が広がっていた。
ーーー
そこには、見たこともない獣とその獣が殺した死体が転がっていた。
うぅ・・・。
吐き気がする。
いったい何が起こっているんだ。
あ・・・、テレビだ、テレビをつけよう。
教室には、少し古いテレビがある。
・・・えーと、リモコンはどこだっけ。
確か教卓の中に・・・・・・。
・・・あった。
テレビをつける。
『繰り返しお伝えします
ただいま、全国に正体不明の獣たちが現れています。
この獣は人を襲います。
皆様、安全な場所に避難してください。
今自衛隊が殲滅を開始しました。
皆様、安全なところに避難してください
繰り返し・・・』
安全なとこってどこだよ。
脳内で突っ込む。
あ、画面が切り替わった。
テレビには今殲滅を開始したらしい自衛隊が映し出された。
自衛隊の人たちは、黙々と獣を撃っていく。
ただ弾丸は効きにくいらしく、あまりダメージにはなっていないらしかった。
しかも、わずかだがその弾丸の傷も再生しているらしかった。
一人が突然、ナイフを持って突っ込んでいった。
・・・・さくっ
明らかにナイフでやった方がダメージが大きい。
それを見たほかの自衛隊の人たちは、ナイフでの殲滅戦に
切り替えた。
どんどん殺していく。
・・・ん?
自衛隊に殺されていく獣たちを見る。
なんか光になって消えていってる。
そしてそこには・・・箱が残されている。
これは・・・、まさかドロップアイテム!?
そうだ、そういえば校庭にいるあの獣も、よくゲームで見るミノタウロスって
魔物と似ている。
しかも弾丸も効きにくいし、
驚異的な早さで再生していく。
もしかしたら・・・。
ちょっと確かめてみるか・・・。
そうして私は準備を始めるのだった。
読んでいただきありがとうございます