表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/25

第8話 クソガキ! 歯ぁくいしばれ!

謁見が終わり外に出る。

いきなり片腕をレアイナさんに取られた。

腕を組まれる。

フニュンって! フニュンって!

腕がオッパイに挟まってます!

ちょっと! 何! このご褒美!

「レアイナさん! この御褒美の理由は!」

「ホントに忌避感が無いのね・・・。」

ただの確認だった!!!!

四つん這いで落ち込んでるとほっぺに柔らかい感触が触れる。

顔を上げると顔を真っ赤にしたレアイナさんがいて視線を明後日の方に流している。

ひょっとして今の感触って・・・。

ほっぺにチュウ?

ねえ! 今のひょっとしてほっぺにチュウ!?

あの伝説のほっぺにチュウ!!

「レアイナさん!」

「い、い、今のがご褒美よ! 私達みたいに醜女の烙印を押された女の子たちを救う覚悟を決めてくれたからその感謝のしるしよ! ま、ま、まだベットに行く気はないからね!」

ツンデレキタぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

「訳の分からなこと叫んでないでさっさとエクセリオンに行くわよ!」

そう言ってどんどん先に行こうとしますが立ち止まって俺が来るのを待ってくれるのは嬉し恥ずかし体験です。

イリーナさんこれは浮気じゃありませんよ?



エクセリオンが停泊している港に来た。

人口の八割が女性と言うだけあってホント女性しかいない。

男は何してんだ?

レアイナさん、男って何してるんですか?

「基本何もしない。」

・・・はい?

「だから何もしないのよ。」

それって主夫もやらないってわけですか?

「それしたらメイドの意味が無くなるでしょ。」

メイドさんいるの!?

「・・・ちょっと。なんでそこに食いつくの?」

特に他意はありません!

スゲェ。いま一瞬だけどレアイナさんの背後に般若が見えた・・・。

でも、これで分かった事がある。

この世界? 惑星? では男はヒモだ。

絶対なりたくない存在の一つ、ヒモだ。

不労所得すらない、ヒモだ。

・・・俺は働こう・・・。



レアイナさんを見てクスクス笑われるのがムカつくなぁ。

レアイナさんは無視してるけどやっぱりムカつく。

そのくせ俺を見る目には熱がこもっている。

手を振って寄越す奴までいる。

さっきはレアイナさんを嘲笑してたのに・・・。

・・・・・・えい!

「ちょっと! 何で腕を組んでるのよ!」

素敵な女性をエスコートするのは男の義務ですぅ。

「聞いた事ないわよ!」

今作りました。

「ちょっと! ホントにダメ!」

顔を真っ赤にして、振りほどこうともしないのにダメはありません。

このままエクセリオンまで腕を組んで行きますぅ。

「イリーナに見つかったら悲しまれるわよ!」

その発言はズルいです。

・・・分かりました。腕は外します。

「・・・分かってくれてありがとう。」

代わりに手を恋人繋ぎします。

「はい!? こ、こ、こいびと!?」

ハーイ、繋いじゃいました。

エクセリオンまでご案内〜。

「待って! ホントにちょっと待って!」



あれ、なんか騒がしい。

何? あの人混み?

今では自分の方から手を絡めてるレアイナさんに一応お断りしてから見てこよう。

見てきますから手を放して貰っても良いですか?

「! ち、ち、ち、違うんだから! 嬉しくて離したくなかった訳じゃないんだからね!」

そう言う事にしておきますぅ。

「絶対勘違いしてるでしょう!?」

・・・レアイナさんは俺と手を繋ぐのは苦痛だと?

「そんな事言ってないでしょう!」

じゃあ嬉しかったですか?

「! そ、そ、そりゃ少しは嬉しかったわよ?」

そうかぁ、少しかぁ、あんなに離したくないと言わんばかりにギュって、ギュって掴んでいてくれてたのがお芝居だなんて傷つくなぁ・・・。

「!? あぁもう! 嬉しかったわよ! えぇ! 嬉しかったです! 男性と手をつないで歩くなんて夢でも見た事がありません! 浮かれてたわよ! 悪い!」

・・・・・・。

「な、何よ、こっちをジッと見て。」

ご褒美ください。ほっぺで良いからチュウしてください。

「!! あ、あ、あんたねぇ!」

やべぇ。これ以上は不味い。

騒ぎ見てきますぅ。

「待ちなさい!」



人混みの中心に向かっていこうとしてるんだが耳に入る言葉が非常に腹立たしい。

また醜女がとか、身の程を弁えないとか、言いたい放題である。

エクセリオンの近くだからきっと特務隊のメンバーがなんかトラブルに巻き込まれたのは予想がつくが仮にもここは軍港だぞ? 率先して問題起こすか? 普通?

人混みをかき分けてやっと騒ぎの原因が分かると自然と体が動いた。

「クソガキ! 歯ぁくいしばれ!」

十分に踏み込んで腰の回転も乗せる。

背は低いが俺と同い年ぐらいの男の頬を拳がえぐる。



クソガキがイリーナさんに殴る蹴るの暴行を加えていた。



クソガキは盛大に吹き飛ぶ。

手加減なんかしなかった。

渾身の一撃ってやつだ。

首を逸らして威力を軽減した様子も無い。

クリーンヒットからクソガキはおきあがてこない。

今のうちにイリーナさんを診よう。



「ヨシトさん・・・。」

「動かないで!」

ひでぇ・・・。

女の子の顔を普通殴るか?

頬が腫れて口の端が切れている。

鼻血まで出てる。

ハンカチやティッシュを使って血を拭いていく。

この頃になるとレアイナさんも合流した。

「イリーナ! ちょっと! 大丈夫なの!」

そして事の原因に辿り着く。

「!! ケスヴァン! 又貴方なの!」

どうやらこのクソガキはレアイナさんのお知り合いのようだ。

「おい! 貴様!」

こういうときってアイススプレーが欲しいよなぁ。

「無視するな! そこの純血種!」

うるさいなぁ!

気配から問答無用で回し蹴りを放つ。

高さがちょうど良かった。

踵がクソガキのテンプルを捉えて昏倒させた。

うし! これでイリーナさんの治療に専念できる。

「・・・あんた結構エグイ事するわね・・・。」

レアイナさんがなんか呟く。

聞こえなーい。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ