第7話 文化祭 その3
多分次かその次ぐらいで最終話になると思います。
初の連載物でしたが読んでくれた人が居ればありがたいです。
音出しを終えた2人はそれぞれの合唱練習に向かった。
それから文化祭は着実に進み、昼休み──────。
この中学校はホルンとサックスがうまい。と、言うことで、
1カ月前、
「今度の文化祭はハリ○タとル○ン三世と、ブルースカイで」
と言うことになった。
でも、チューバって速いテンポで16部音符とか無理だから!!
何でルパ○三世って16部音符有り過ぎだから!ちょっとどころじゃないほどムリ!!
タイとかシンコペーションありまくり………テンションも下がるから〜。
ハリポ○はまあチューバってカンジだからいいけど……
そんなこんなでもう本番。
1番目は○パン三世♪
もうみんなノリノリで最っ高!!
サックスのソロかっくい〜
でも、
チューバがいないと、浮いててかっこわるいもんね。
2番目は○リポタ♪
ホルンの音ってちょっと小さいから、前に出てマイクでその美しい音色を響かせてる。
あーなんかイギリス行きたくなってきた。
フルートのメロディーも素敵。
シメのブルースカイはもう十八番。
でも気を抜かないように、テンポどおりに吹いた。
もう会場は割れんばかりの拍手。
これこそ吹部の醍醐味だね。
「アンコール、アンコール!」
出ました、毎年恒例のアルコール、じゃなかったアンコール。
アンコールにお答えしまして、4番目はベストフレンド。
すっごいしっとりとした曲で私のお気に。
チューバはメロディーは無いけど、しっかりサポート役。
またアンコールがあったけど、もう曲が無いので終わりになった。
どの組の合唱より、吹奏楽部の演奏の方がずっとうまかった。
(と、自分では思っている)
その片付けは1年生の使命。
と、言う訳でヨロシクー。
後輩に嫌味を言ってゆうゆうと帰る。
もちろんマサキと一緒にね。
「夜の電車の中は、まるで世界が電車の中だけになったみたいで好き」
「確かに…でも雫の方がもっと好き」
「くっさーい、分かってるから。私もマサキが好きだよ」
そんな風にふざけながら電車に揺られるのが心地よかった。
ずっと乗っててもいい……
そういう時こそ、時間が早く感じられるもの。
あっと言う間に駅に着いてしまった。
「じゃあまた明日」
どちらからとも無く言い出すと、もう一方が、
「もうちょっとだけ」
と言って引き止める。
考えあぐねたマサキが、
「キスしたら帰ってもいい?」
「いいよ」
目をきゅっと瞑った雫が感じたのは柔らかい感触とミントガムの味だった。
2人のファーストキスは、ちょっぴり寂しい別れ際のキスだった。