第3話 厄介なヤツ
世のオバちゃん達の注目の的、ハンカチ王子が米の松井秀樹に会いに行ったころ。
前回後輩に脅されまくったあたしは毎日友達と喋っていた。
女)「後輩に脅されている先輩ってレアだよ」
友)「めっちゃレアだよ、つーか脅す後輩もレアだけどね」
女)「あれからよーく観察してたんだけど、やっぱあいつぶりっ子だわ」
友)「やっぱし?!」
女)「ヤツはすっかり信用してる」
友)「あ〜あ、じゃチューバやってんだ」
女)「出来ないと思ったんだけど・・・」
出来てるんですね〜、これが。
友)「以外〜、そういうのって出来ないのが多いんだけどそいつは出来てるんだ。
よっぽど気合入ってるんだね〜」
女)「出来てないと困るんだけど・・」
出来ててもなんかムカつくんだよね〜。
友)「そういうのって分かる、フルートもそうだもん」
女)「とりあえずもう時間だから教室帰るわ」
案の定、教室では後輩がヤツにべったりだった。
・・・おぇっ、気持ち悪っ
後)「ねぇ〜、今度の日曜日にどっか遊びに行かない?」
男)「んー、日曜日は塾だ」
女)「ねーもうちょっとで1時だよ。そろそろ練習始めないとやばいよ」
男)「そーだな、オニの金管部長に怒られたらマズイもんな」
かくしてアイツのデート勧誘作戦は失敗に終わった。
ざまーみろ
練習中そればっかり思い出してニヤニヤしていた。
傍から見たらメッチャキモかったと思う。
ヤツとは帰る方向が一緒なので、一緒に帰ることにしてるけど最近後輩まで付いてくるので
嫌になっている。
後)「先輩の誕生日はいつですかぁ?」
男)「オレは5月28日」
女)「アタシは12月26日」
後)「クリスマスの1日遅れですね」
女)「だから思いっきりクリスマスの物ばっかりなんだよね〜、手袋とかマフラーとか」
男)「俺ここで帰るわ、じゃな」
女)「うん、じゃーねー」
後)「さよならぁ〜」
はぁ〜、やっと帰った〜。
あとはこいつだけ。
後)「……ちょっとどういうつもり!?昼間もアタシの邪魔してさ、なんなのあんた」
女)「だって後輩に騙される先輩なんてかっこ悪いから助けてあげたんじゃん、なんか
文句ある?」
よく言えた、すごいぞあたし。
後)「余計なお世話です〜、つーか誰もあんたに助けてもらいたくないと思う」
女)「ですよね〜、誰もあんたに手助けしなくてもちゃんとアイツとくっつけれるって
思ってるでしょ、現実はそう甘くないよ」
……大人の魅力?
後)「な〜にをオバハン臭い事言ってんだか、とりあえずあたしは勝手にやるよ」
女)「あっそ、勝手にすれば」
とは言いつつもなんか不安だな〜、よし!見張ろう。