第1話 予感
実在する中学校の吹奏楽部の話です。名前は出てきませんけど。
世の中でヨン様フィーバーの嵐が吹き荒れているころ。
あるS中学校では冬の間の音づくりに励んでいた。
さて、吹奏楽で一番重要なパート、低音の中でも特に重要なチューバを
吹いている、男子と女子の話です。
女)「ぁ〜のさあ」
男)「はぁ」
女)「音程全然合わないんだけど〜」
男)「そら自分が悪いからでしょ」
女)「え〜、だって20セントも低いんだよ〜、マジありえんし〜」
男)「管入れた?」
女)「ぎりまで入れてる」
男)「じゃあー、後は気合と根性と口の形で合わせろ」
女)「ふつー口の形から言うでしょ」
男)「あー、ん〜、ドンマイ」
女)「そういう問題?」
男)「って、漫才やってる場合じゃない!!!合奏だった〜」
女)「ひゃ〜、忘れてた〜」
すっかり忘れて部長にこってりしぼられた後、片付けをしていたとき、
女子は改めて同じパートの男子をまじまじと見つめてみた。
端正な顔立ちで、ちょっと笑っているように見える。
学年の女子の6分の1が憧れているというコイツ。
自分に限ってそんなことは無いだろうと思っている。
実際同じパート内で付き合っているコ達もいるし。
関西から引っ越して来たと言うコイツ。
時々関西弁になって、吹部のみんなを笑わせているムードメーカー。
そしてどうやら自分の事を『友達』と思っているアイツ。
ちょっとお笑いコンビめいてると言われる。
所詮お笑いコンビはお笑いコンビ止まり。
友達は友達止まり、と諦めて音楽室に鞄を取りに行った。
女)「ねぇ〜、アイツってどう思う?」
友)「ん〜、かっこいいけどどっかぬけてるっていうかー、ビミョー
なんだよね〜」
女)「だよね〜、一緒に練習してて居ること自体忘れるもん」
友)「あっ、それ分かる分かるーいつの間にか後ろにいてビックリした
事がある!」
そんな事を喋りながら友達と帰った。
あと第二部と第三部を書きたいと思っています。気長に待っていてください。・・・ぼちぼち書きます。