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兄貴分・上田竜也

そこに居たのは・・・・・上田竜也。李光人の兄貴分である。

「う、上田さん・・・・。」

「・・・・お前、何なんだよ。その手はよ。」

 竜也は李光人の胸倉を掴んでいるパチンコ屋の店員を掴むと逆手に捻り上げた。

「い、痛い。止めて下さい。警察呼びますよ。」

「呼べよ。お前が俺の連れに暴力を振るっていたのを止めただけだろうが。」

「ち、違うんです。この男が他のお客さんに暴力を・・・」

「あん・・・・李光人、本当か?」

 寄りにも寄ってパチンコ屋の店員は出鱈目の説明を竜也に吹き込もうとするので、李光人は必死に反論する。

「違います。俺はただ、おじさんに玉を貸して欲しいと頼んだだけなんです。そしたら文無し、働けと言われたので、お前こそ社会保障を食いつぶしていると言ったら、掴みかかられて・・・・。」

「本当か?何歳ぐらいのじじいだ?」

 竜也が目の色を変えたのを見て、李光人はしまったと思った。竜也は高齢者の男に敵意を抱いていたのを忘れていた。もっとぼかして話すべきだったと思っても既に後の祭りである。

「・・・・竜也さん。俺も口が過ぎました。もう行きましょう。」

「いいや。粋がってる調子こいた爺は駆逐しなきゃな。おい、その爺の所へ連れて行け!」

 竜也は店員をどやしつけて、さっきの爺の元へ案内させる。李光人は一瞬、逃げようと思ったが、竜也を見捨てる訳には行かないと思い直し、渋々後を追った。

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