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平穏の訪れ

 開け放たれた窓から差し込む日光と、その柔らかく暖かい風によって目が覚める。

 どうやら俺はまたも助けられたらしい。その考えに至るのにそう長くはかからなかった。

 そして、毎度のようにベッドに横たわっていたわけだが、とりあえず体を起こして、ハイオークとかとの戦闘のことについて考える。


 転移や結界などの一連の事件は恐らく魔の森の時と同じやつだろう。これを仮に黒幕と呼ぶことにする。

 その黒幕はかなりの強者で転移魔法を扱えるレベルと考えるべきだ。そして、黒幕の目的は不明だ。俺に色々と仕掛けて、一体何をしたいんだろうか。メリットがあるようには思えないが……。


 黒幕についてはまた情報が集まり次第考察するとして、次はあの魔物が大量にいた現象についてだな。まぁ、あれについてはおおよそは見当がついている。あれは、十中八九昔に師匠から聞いたスタンピードだろう。

 スタンピードど言えば異世界モノではよくある魔物が大量発生する現象だ。大体の物語では被害が出ることが多いので、この旧都も何らかの被害を受けているかもな。



 さて、考えるのはこんなもんでいいか。そう思った俺はベッドから降りて、廊下に出る。

 それから歩いて、リビングの方まで向かうがどうやら誰も家に居ないらしい。父は仕事だろうが、母はなんで居ないんだろう。買い物か?

 誰も居ないが、腹が減っていたので保存している黒パン二、三個を魔法で温めてから食べることにした。


 椅子に腰掛けて、温めた黒パンを食べていると、「ごめんくださーい」という声が聞こえてくる。

 誰だろうと思いつつ、扉を開けるとそこにはファルがいた。俺が驚いていると、ファルがこちらに話しかけてくる。


「おはよう、フリーク」


「おう、おはよう。何しに来たんだ?」


「今日はね、フリークのお見舞いに来たの」


「そうか、それはありがとうな」


「ううん、フリークが無事で良かったよ」


「俺があのバケモン倒してからどうなったか知ってるか?」


「うん、私もあの時のことは混乱していたから、あんまり覚えてないんだけどパパに聞いたから大体わかるよ」


「俺はあんまよくわかってないから、教えてくれるか?」


「うん、もちろん」


「じゃ、中入ってくれ。椅子に座って話そうぜ」



 ファルから聞いた話をまとめると、俺たちがたくさんの人が避難していた学院や教会にいなかったことをマズイと判断した母が、師匠やファルの両親と一緒に俺たちを捜索。

 そして、スタンピードが終わった頃に街の郊外で俺たちを見つけたという感じらしい。

 父は何をしてたんだよと思ったが、きっと何か大事な役割をこなしてたんだろう。


 ひとまず、状況は理解した。で、教えてもらった所悪いんだけど、ファルはこの後どうすんだ?お見舞いしにきたのに俺は元気だし、俺たち以外に誰も居ないし。まぁ、聞いてみればいいか。


「教えてくれてありがとな。でも、ファルはこの後どうすんだ?」


「この後?」


「俺はこの通りピンピンしてるしな。何もすることねぇだろ?」


「確かに。う〜ん、どうしよう?」


「じゃあ、魔法でも勉強すっか?」


 ファルはその言葉を聞くと、机から身を乗り出して目を輝かせる。


「え!魔法!? 私の知らない魔法知ってるの?」


 俺はその勢いに押されながらも答える。


「お、おう。魔法というよりも魔力に関するやつなんだけどな」


「教えて!教えて!」


 いつもの冷静な感じはどっかに行ってしまっていて、俺のファルに対する勝手なイメージ像がボロボロと崩れていく。


「わ、わかったよ。空気中の魔力の元のようなものを使って魔力回復をする方法なんだけどな……」


 こんな感じで、空気中の魔素を使った魔力回復方法について教えると、ファルは多少の苦戦はしつつもすぐに取得した。

 すぐにと言っても一時間ぐらいはかかったので、途中で母が帰ってきた。今回は悲しそうな感じもなく、いつもの明るい様子だった。

 慣れるべきではないんだろうけど、俺がこういう状況を起こしすぎて慣れてきたんだろうな。


 それと、母が帰ってきてから、スタンピードの時に父が何をしていたのかを聞いたら、旧都の中心部に巨大な結界を展開してたんだとか。

 その結界が壁になっていたから、母たちもスタンピードが終わって結界を解除されてからしか俺たちを見つけられなかったらしい。

 思ってたよりも父がすごいことをやっていて感心したよ。いつも家ではおちゃらけてるのにな。



 まぁ、今回のスタンピードの事件から黒幕がいることは確定したんだが、まだソイツに辿り着くための手がかりが圧倒的に足りない。

 後、二年後には学院に入学することになる。そこで四年間過ごすわけだけども、その黒幕がどう暗躍してくるかは見当もつかない。なんなら俺に絡んで来ない可能もないとは言えないしな。


 だけど、俺は現在も、そして未来もたくさんの困難に立ち向かい、がむしゃらに努力をし続けていくしかない。

 それこそが、俺の憧れた主人公たちになるための大切な一歩だから。


 今回の話でこの物語の第一章は終了です。第二章は学院編となりますが、まだ内容のまとまっていない部分がありますので、時間を置かせてください。

 ここまでお読み頂き、本当にありがとうございました。

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