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半年ほど経って

 転生してから、半年ほど経った。最初こそ、本当に異世界転生したのか疑ってはいたが、この半年で本当に転生したことがわかった。




 まず、まったく言葉が通じない。

 異世界に行くことを想定して、前世ではいろんな言語をかじっておいたけど――さすがに異世界では通用しなかったか。


 ほかにも、まだ視力は発達しておらず、近くのものしか見えないのだが、自分が乗っているゆりかごは現代のものとは明らかに違った。


 木製のゆりかごみたいなものに、布団と毛布がある。昔の地球では赤ちゃんをおくるみで包むという習慣があったが、この世界ではそうではないようだ。


 あと、言語は少しだけわかるようになった。目はまだあまり見えないので、モノを指さして名前を教えてもらうことはできなかったが、明らかに何度も俺に向かって連呼している言葉があるので、その言葉の意味を推測するといった形でなんとなく単語を理解した。




 その結果、多分俺の名前がフリークという名であるだろうということと、ママとパパという言葉がわかった。他にも少しだけだがわかった。まだ、本当にこの言葉が正しいかは分からないけどな。


 あと、今世での母さんと父さんの顔がわかった。転生したては、ほんとになんも見えなくて、ぼんやりと顔の輪郭がわかるかなくらいだったのが、今では近くなら見えるので抱っこされた時に見た。


 母親は、おそらく灰色っぽい金髪で、瞳は緑っぽい色、顔も整っており美人だ。


 父親は、薄い茶髪で、瞳は青色、こちらも顔が整っておりイケメンだ。


 とりあえず、この半年でわかったことはこんな感じだ。







 そういえば、異世界に来たなら子供の頃から魔力使って、増やすみたいなテンプレ的な展開をしないの?って思う人がいるかも知れない。だが、その行動は俺に言わせてみればナンセンスだ。


 魔力がこの世界にあるかどうかはまだわからない。だが、仮にあると仮定して話を進めよう。


 そもそも、魔力が自分の体にあるとして、なんで魔力は体にあると思う?


 もちろんそれは、魔力が体に必要だからだ。人間の体は、生きるうえで不要なものを進化の過程で捨ててきた。


 つまり、もし魔力が体の中にあるのならそれは生きるのに必要な要素であり、魔力を起こすなんてもってのほかだ。


 なので、よくある“魔力切れを意図的に起こして魔力を増やす”なんてことはしない。




 またこれに関連して、俺が前世で異世界転生した時のことを考えていた時から考えていたのだが、俺は基本的に異世界転生したということを周りに言うつもりはない。

 なぜなら、俺以外にこの世界にきた人がいるとは限らないし、もし転生者だとバレたらどうなるか分からない。地球のことについて洗いざらい話せと脅されるかもしれない。何が起こるか分からないからこそ、俺が異世界転生したと言うことは誰にも話すつもりはない。


 それに伴って、基本的な赤ちゃんの成長段階に合わせて成長しているように見せかけようと思う。つまり、普通の赤ちゃんのフリをすると言うことだな。


 これは今まで数々の小説で主人公が失敗してきた行為だが、俺はこの主人公たちの二の舞にはならない。そのために、前世では赤ちゃんの成長を調べ、どのような行動をするかを記憶していた。そして、妄想の中で何度もシミュレーションした。


 だから、その妄想シミュレーション通りに動けばいいってわけだ。




 その過程で、俺には今一つ非常に頭を悩ませている問題がある。


 これはあまり深く考えておらず、本当に転生したときに適当に行動すればいいと考えていたことなのだが、ママとパパをどっちを先に呼ぶのかと言うことだ。


 俺はまだ、きちんとした言葉を発しておらず、喃語(なんご)しか話していない。「あー」とか「うー」とかのことだな。そして、赤ちゃんは生後7ヶ月〜9ヶ月で初めて意味のある言葉を話すと前世では言われていた。この世界でもこの成長段階が通用するかは分からないが、ひとまず通用すると考える。また、前世では子供がママとパパどっちを先に呼ぶかで、家庭内での序列が決まると聞いたことがある。


 そんなことを唐突に思い出して、どっちを先に呼ぶべきかと頭を捻らせている。


 まあ、前世では父親が母親の尻に敷かれることが多かった気がするので、母親と呼んだ方がいいんじゃないかと思ったりもしたが、そうすると父親が可哀想に思えて、少し悩んでいる。でも、そんな深く考えなくてもいいか。最初はママって言ってその後ちゃんとパパって言えばいいか。

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