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「少女漫画のプレイボーイキャラに転生した俺は、ヒロインに一途に恋をする」

作者: エルティ

この作品は作者自身が大好きなとある昔の少女漫画をオマージュして書いています。

昔少女漫画に憧れた中年主人公が、気がつくと作品の世界に転生します。

短編ですが、書けそうなら今後も続きを書いてみたいと思っています。

読んでいただけるとありがたいです。

※投稿後、思うことがあって登場人物ヒロインの配置を換えました。

 理由の1つは、「主人公が転生したことで、作品の世界に影響があった」ことを示すためです。

 もう1つは、モデルとなった漫画に近づきすぎないようにするためです。

 あとは、もっと面白くするため、でもあります。

 

 「え、これ父さんの高校の頃の写真? 何だよこの髪型」

 「ほんとね。お父さんこの髪型何なの?」

 ひょんなことから久しぶりに高校時代のアルバムを取り出したら、息子と妻に奪われてしまった。高校の頃の俺の髪型を見て、気になって仕方がないらしい。

 「ああ。これは、当時人気だった少女漫画のキャラに似せようとしたんだ。だってかっこいいだろ。毎朝30分もドライヤー当てて作ってたんだぞ」

 当時の俺の髪型は七三分けだ。ただし、ただの七三分けではない。七の『部分の根元を跳ね上げて立体感があるもににし、目にかかるくらい長く伸ばして、毎日のドライヤーでサラサラにしていた。

 三の部分も根本を思いきり跳ね上げ、くの字になるくらい立体感を作っている。

 「これでもクラスの女子たちから、『室谷くんって、髪がサラサラでうらやましい』って言われていたんだぞ」

 俺の名前は室谷旭人むろたに あきとだ。

 「だから今ハゲてるんだろ、父さんは。ドライヤーの当てすぎだよ」

 息子の亮一が笑いながら言う。

 「だから、ハゲって言うな。デコに少しそり込みが入ってるだけだ、まあ、昔やんちゃだったからな」

 「うそばっかり」

 妻の有喜が笑う。もちろん、昔やんちゃなんてことはなく、ただモテたいとばかり思っていた高校生活だった。それなりに振ったり振られたりはあったけど、昔の話だ。

 アルバムの話が終わった後、俺は書斎に移動した。件の少女漫画のことが気になってもう一度読んでみようと思ったからだ。本棚の奥にしまってあるため、取り出して読んでみた、

 題名は「瞳の中のコントラスト」という。この作品に俺が出会ったのは、ほんの偶然だった。

 今から40年前、俺が小学校高学年のの頃だ。俺は近所の1学年上の友達の家に入り浸っていた。その家にはおやつもあればファミコンも漫画もある。当時の俺の家にはなかった(決して貧乏だったわけではない。親の方針だ)ものばかりで、俺はそれらを目当てに毎日学校終わりには友達の家に通っていた。

 ある日、友達のお姉さんの部屋で遊ぶことになった。いつもゲームをしている部屋のテレビを友達のじいちゃんが相撲に変えてしまったからだ。

 最初はみんなで野球ゲームをしていたのだが、飽きてきて周りを見回した時、ふと1冊の本が目に入った。」 

 それは、当時全国の女子の間で大人気だった少女漫画雑誌「カチューシャ」だった。俺は何となくページをめくった。すると、黄金色の枯れ草の中で抱き合う2人のカラーページが見えた。

 なんて美しい場面なんだろう。子供心にそう思った俺は、この作品が気になってしかたがなかった。読んでみると、高校生の恋愛の漫画だった。当時、色気づいていた俺にはとてもうらやましく見えた。

 「瞳の中のコントラスト」は「カチューシャ」の中でも大人気で、「100万人少女の恋愛聖書」と言われていたのを知ったのはしばらく経ってからだった。

 それから俺は、毎月こっそり「カチューシャ」を地元の書店で買うようになった。男友達に見られるわけにはいかないから、買ったらすぐシャツの中に入れて帰った。知らない奴にはエロ本でも買ったのかと思われていただろうな。

 中学生になると、毎月買うだけでなく単行本を集めたくなった。自分の小遣いで1巻ずつ厚め、やっとのことで全巻をそろえることができた。読んでみると、話は中学時代から始まって高校に進学し、という内容だった。 話が自分の年齢に近く、余計に面白く感じた。それ以来、大事にとっておいて今に至っている。

 主要な登場人物は5人ほどいるが、その中で俺が特に憧れたのがメインヒーロー(って言っていいのかな)「風海雅史かざみ まさし」の親友にして最大のライバルである「白坂しらさか かえで」だった。楓は背が高くて顔がとにかく整っており、常に数名の女子が話しかけてくる。毎日放課後は複数の女子とデートするプレイボーイだ。普通男なら嫉妬する嫌なキャラなのだろうけど、俺は純粋に憧れた。当時の俺は今で言うイケメンでもなく、大してモテていなかったからだ。

 楓の外見の特徴としては跳ね上がった七三分けの髪型だ。この髪型に憧れた俺は、中学時代野球部で坊主だった頭を伸ばし、高校では毎朝楓セットで学校に行っていた。

 楓はプレイボーイに見えて、本当は幼なじみを一途に恋をしているのだが、お互いに素直になれないでいた。そういう所も好きだった。

 やっぱり何度読んでもこの本は面白いよな。ああ、ちょっと集中しすぎて眠くなってきた。ちょっと横になろう。


 目を覚ますと、すぐ異変に気づいた。

 まず、ここは俺の書斎じゃない。明らかに子供部屋だ。そして、それは決して亮一の部屋ではなかった。亮一は片付けが苦手で、部屋は常に汚れている。それに対してこの部屋の持ち主はきれい好きなのか、ゴミ一つ落ちていなかった。

 俺はベッドから起き上がると、とんでもないものを見てしまった。

 カレンダーが1985年、になってるじゃないか。40年前だって? どういうことだ?

 俺は情報を得るため起き上がり、家の中を探索してみた。もちろん夢の可能性のほうが高いはずだが、確かめずにいられなかったのだ。

 家には俺以外いないようだった。一階の洗面所にたどり着き、鏡をのぞき込んだ。

 鏡に映った姿を見て俺は絶句した。

 こいつは俺じゃない。どう見ても、「瞳の中のコントラスト」で俺が昔憧れていた白坂楓じゃないか、

 「はあ? どういうことだよ。 夢にしちゃリアルすぎじゃないか?」

 妻に連絡をしようとするが、当然スマホはない。この家にあるのは昔の黒電話だけだ。

 着ている制服を見るに、中学校の頃だな。ということは、「瞳の中のコトンとラスト」の初めのほうってことか?

 とりあえず俺は現状把握のため、近くにいる知り合いに会うことにした。

 俺はベランダに出て、隣の家の窓をたたく。そこが俺の幼なじみ、橘麻耶たちばな まやの家、のはずだ。

 麻耶は楓の幼なじみで、ずっと隣の家の隣の部屋に住んでいる腐れ縁だ。性格は、今で言うツンデレ、って感じだったな。

 ガラッ。

 「こんな時間にどうしたの、楓」

 俺は心底驚いた。

 出てきたのは、「瞳の中のコントラスト」のメインヒロイン、香取かとり ひとみだったからだ。

 どういうことだ? 何で麻耶じゃなくて瞳が隣に住んでるんだよ。確か、瞳の家は田舎の一軒家だったはずだ。

 瞳は黒くつやつやとしたおかっぱ頭で、黒縁の眼鏡をかけている。一見地味だが顔は整っており、密かに男子に人気がある。

 俺が驚きのあまり黙っていると、瞳は不思議そうに言った。

 「ほんと、どうしたの楓。もう遅いから閉めるよ」

 幼なじみなった瞳は麻耶の数倍優しい。俺は我に返り、幼なじみの瞳に対する楓を作り上げた。

 俺は楓になりきって、原作を思い出しながら話す。

 「いや~ごめんな、瞳。ついお前の顔が見たくなってさ」

 瞳に「ちゃん」をつけずにしゃべるのほんと難しいな。

 「はいはい。そういうのはいつも一緒にいる女の子達に言ってあげたら?」

 そう言って、瞳は窓を閉めた。

 俺は瞳の言葉を聞いてショックだった。楓は瞳からも信頼されてないじゃないか。これじゃもし好きって言っても信じてくれないだろう。

 「おいおい待ってくれよ。ただ話がしたいだけなんだって。今からそっち行っていい?」

 そう言うと、瞳は窓から顔だけ出した。

 「ねえ楓。私たちもう小学生じゃないんだよ。それに、他に部屋に入れてくれる子いっぱいいるでしょ。そっちに頼んでね」

 優しい言葉だけど、瞳の言ってることは俺にはきつかった。原作ではプレイボーイな俺にも対等に接していてくれたからだ。幼なじみになったことで楓のことよく知ってるから素っ気なさが増してるってことか。

 「そんなつれないこと言うなよ。俺の心の中にあるのはお前だけだって」

 楓のキザなせりふを思い出して言ってみる。

 「それ、どうせみんなに言ってるんでしょ。いいから、もう。また明日ね」

 そう言って、瞳はドアを閉めてしまった。

 自分の部屋に戻り振り返る。やはり俺は本当に「瞳の中のコントラスト」の中に来てしまったらしい。これがちまたで言う異世界転生ってやつなのか。

 ただ、俺がこの世界に来たせいなのか、明らかに配役が変わっている。麻耶ともう1人のヒロインはどうなってるんだろう。瞳と同じように考えれば、役割が入れ替わっていると考えるべきだ。ということは、メインヒロインは瞳の他にいる、ということになる。

 とりあえず、今晩はもう寝よう。楓には父親と母親と姉がいるはずなんだけど、午後9時を過ぎても帰ってくる気配はなかった。

 俺はベッドに入り考える。楓は幼なじみになった瞳から信頼されていなかった。言葉を信じてもらえなかった。この調子だとほとんどの同級生から信用されていないだろう。ましてや、本命がいたとしても今の状況では絶対俺の言うことなんか信じないはずだ。だって、楓は毎日違う子とデートしてるんだからな。

 でも、俺自身はやはり一途でいたい、と思った。憧れのプレイボーイキャラになったわけだけど、せっかく若返ったなら誰か一人に決めて一途な恋がしたい。長い間していなかった恋愛をしたいという気持ちが若い体に満ちていた。

 明日は月曜日。学校だろうから、まずは雅史に話しかけてみよう。できれば、麻耶とあの子にも声をかけてみたい。


 翌朝、俺は制服に着替えて1階に降りた。降りてみると、父さんと母さん、そして姉のかなでがいた。

 「おはよう、楓」

 「おはよう母さん」

 俺と姉は母に似ているらしい。楓の母さんはもう40代のはずだが、明らかに美人だった。奏姉さんは高校生ということもあり、とにかくかわいい。高校ではモテモテで、彼氏がいるという設定だった。

 「楓、もう玄関に来てるけど」

 「え、誰が?」 

 俺は本当に分かっていなかった。

 「あんたが読んだんでしょうが。瞳ちゃんもう先に行ったってさ」

 そう言って、姉は学校に向かった。

 パンを食べ終わり玄関のドアを開けると、同学年と思われる女子が5人も外で待っていた。

 「ああ~楓君おそ~い」「早く一緒に行こうよ~」

 そういえば楓は放課後だけじゃなく朝も毎日不特定の子と登校していたな。そのせいでほとんどの男子から嫌われている。まあ、雅史は別だけど。

 玄関にぎゅうぎゅうに入ってくる女子達を見て思った。俺はこんな遊びみたいな恋愛はしたくない。昔から楓に憧れてたけど、やっぱり俺は楓にはなれないわ。

 俺は一途に、たった一人だけに恋がしたいんだ。

 「ごめん。今日は一緒に行けないんだ。一人で行くからごめんね」

 そう言うと、女子達は悲鳴を上げた。

 「ええ~楓君どうしたの?」「なにかあった?」「もしかして、香取さんと一緒に行きたいの?」

 「違うよ。ただ今日は一人で行きたい気分なんだ。すまないけど先に行っててくれるかい?」

 何度か説明した後、女子達はブーブー言いながらもやっと帰っていった。ただ、みんなでは学校に行かずバラバラに行ったみたいだ。共通点が俺しかないのかよ。

 一人で学校に行っていると、周りの中学生が男女問わず俺をチラチラ見てきた。多分、女子といないのがよっぽど珍しいんだろうな。

 教室に入ると、すぐその子と目が合った。俺の幼なじみだった、橘麻耶だ。

 麻耶は小さな顔にショートカットがよく似合う女の子で、丸く大きい眼鏡がトレードマークだ。ヒロイン3人の中では比較的背が高く、160近くあるはずだ。

 「おはよう、白坂くん」

 原作に比べて、何て他人行儀な話し方なんだ。でも、冷めた言い方は一緒だった。

 俺は必死に原作を思い出し、原作で楓が瞳に言うような言い方をしてみた。 

 「麻耶ちゃんおはよう。今日も可愛いね」

 俺は楓仕込みのキザな軽口だ。決まった。

 「気安く下の名前で呼ばないで。あと、お世辞はいらないから」

 やっぱり麻耶は麻耶だった。きっついなー。でも楓はそれに慣れているはずだった。

 「お世辞じゃないって」

 「そういうのは他の取り巻きの女の子に言ってあげたら? あと、麻衣子と瞳を取り巻きにしようと思っても無駄だから。私が許さないから」

 そう言って、麻耶は自分の席に戻っていった。

 うーん、これどっちなんだろう。麻耶はメインヒロインなのか、それとも原作で言う麻衣子ちゃんみたいなサブヒロイン的存在なのか。今のところ、サブヒロインっぽいけど。

 でも、原作では麻耶はずっと俺のことが好きなんだよな。ツンデレすぎて分かりづらいけど。その、誰が誰を好きっていうのも変わってるのかもしかして? 少なくとも、楓になった俺は誰が好き、というのはまだない。

 自分の席に行こうとすると、向こうから小柄な子が近づいてきた。間違いなく、林田麻衣子はやしだまいこだ。

 「お、おはよう。白坂くん」

 麻衣子が恥ずかしそうに話しかけてくる。原作じゃ楓と麻衣子のからみなんてほとんどなかったはずだ。ということは、麻衣子が正ヒロインなのか?

 麻衣子、いや麻衣子ちゃんは小柄でとても可愛い女の子だ。ウェーブがかかった髪を伸ばしており、とても似合っている。

 麻衣子ちゃんは原作では不遇なキャラで、雅史のことが大好きだったんだけど、最終的には雅史に振られてしまう。まあ、最後は相手がいるんだけどね。

 瞳とこの後出てくる雅史を争いあい、譲りあったことで読者のヘイトを買っていたかわいそうなキャラだ。

 それがメインヒロインか。やっと報われたな、麻衣子ちゃん。まあ、まだ恋愛的に報われるかは分からないんだけど。

 「おはよう麻衣子ちゃん。今日も可愛いね」

 俺の楓風のしゃべりも板についてきたな。

 すると、麻衣子は顔を真っ赤にして黙った。ん?この反応はどういうことだ?

 「ちょっと楓。麻衣子をからかわないで。困ってるでしょ」

 そう言ってきたのは、幼なじみになった瞳だった。

 「あ、ああ。悪い悪い。ちょっと冗談を言っただけなんだ。ごめんね麻衣子ちゃん」

 麻衣子ちゃんは頑張って笑顔を作っていた。かわいい。

 「う、うん。大丈夫。またね」

 授業前になったので、俺たちは席に戻った。

 

 昼休みになると、風海雅史が俺のクラスに来た。原作のメインヒーローで、楓にとっては親友兼ライバルといった感じだった。雅史はよく俺と一緒にご飯を食べにこのクラスに来ていたな。

 雅史とは1年の頃同じクラスで、すぐに仲良くなった。穏やかで人当たりが良く、誰にでも同じように接することができる本当にいい奴だ。俺とは正反対だな。

 それに、雅史は俺とは系統の違う優男系イケメンで、女子人気もとても高い。俺と違って女子を侍らせたりしないしな。

 でも、漫画の中では既に雅史には心に決めた子がいた。他に告白されても「今は誰とも付き合う気はない」なんて言って断っていたはずだ。

 「雅史、このクラスにわざわご飯を食べに来るのは何でなんだよ。俺に会うためか? それとも別のお目当てでもあるのか?」

 俺はあえて意地悪な質問をしてみた。雅史がなぜウチのクラスに来るのか、もっと言うと誰が好きなのかを探るためだ。

 「お前にご飯を一緒に食べる男友達がいないからだよ。ほっとくと女子とばっかり食べるだろ。そういうのをよく思わないやつらもいるからな」

 もっともらしい言い訳をしたな、と思っていると、一人の女子が近づいてきた。

 「か、風海君」

 そう話しかけてきたのは、瞳だった。

 まって。原作ではここで話しかけるのは麻衣子ちゃんだったよな。どういうことだ?

 「香取さん、どうしたの?」

 「え、えっと・・・ごめん、何でもない」

 そう言って、瞳は顔を真っ赤にして帰って行った。どうやら瞳は原作と同じように雅史が好きなようだ。

 「何の用だったんだろ、香取さん」

 雅史は本当に心配そうに言った。いい奴だなほんと。

 この反応からは雅史が瞳が好きかどうかは分からない。

 「さあ、何だったんだろうな」

 俺は分かっていてもしらを切るしかなかった。

 ここで言っておくが、瞳、麻耶、真紀子ちゃんの3人は大の親友通しだ。1、2年ともクラスが一緒で、いつも3人で一緒にいる。女子が3人でつるむってあんまり見ないけど、この三人は本当に仲が良かった。

 これで「瞳の中のコントラスト」の主要登場人物がそろったな。今中2だけど、ここから高校まで話が続くわけだ。

 原作通りだと、瞳は雅史のことを好きになる。なぜなら、雅史こそが「枯れ野原の男の子」だからだ。「枯れ葉野原の男の子」は、瞳が幼い頃に出会った男の子で、瞳はその子からもらったに虹色の鉱石を今でも大事に机にしまっている、はずだ。麻耶は全く表に出さないけど、最初から最後まで俺のことがすきだった。真紀子ちゃんは周りから分かるくらい雅史のことが好きだった。とても積極的だったな。

 そして、雅史は実は瞳のことが気になっている。俺は原作だと最初に瞳を好きになり、雅史と取り合う。でも、最後に麻耶のことが好きなんだと気づいて告白するんだ。

 雅史と瞳と真紀子ちゃんの結末は……これは言わないでおこう。でも、読者を裏切る大波乱の展開が待っていたのは確かだ。

 俺がこのまま楓と同じように過ごして何もなければ、原作と同じ流れになるはず、だっただ。だけど、俺が楓として転生したことで既に流れは大きく変わっている。

 瞳が俺の幼なじみになり、麻衣子ちゃんがメインヒロインになり、俺は取り巻きの女子と行動するのをやめた。

 そのためか、学校生活の展開も原作からずいぶん変わっていた。

 こんな風に、確実に運命は変わってきている。この先の展開は俺次第というか、誰にも読めないものになるはずだ。

 俺はこの後3人の誰に恋をするんだろう。そして誰と付き合うんだろう。昔ページを開きながら夢見ていた甘酸っぱい思いが、胸にあふれるのを感じた。

 もしこの続きがあるのならば、俺は自分で物語を描いていきたい。まだ始まったばかりの白いページを眺めながら、それを彩豊かなものに変えていくのが楽しみで仕方がなかった。

読んでいただきありがとうございました。

この話の主人公の話は半分くらい私自身の体験談が元になっています。

普段は異世界ものを書いていますが、たまにはこんな内容もいいかなと思って書きました。

感想等いただけるとありがたいです。

続きが書けそうなら連載もしてみたいです。

よろしくお願いします。

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