ep.62 訓練は地獄⋯
本日から新連載です!
はよこっち連載進めろやって思われてもしかないけども、モチベキープのためということにしておいてください⋯
https://ncode.syosetu.com/n1418lf/
『異世界ライフのお供に錬金術を〜異世界錬金術師、元社畜につき〜』
クリスマスということで多めに出すのでぜひ見てください。
あと、少し作者の名前が変わっていることを報告します
みぞれ→霜野みぞれ
とりあえず森に飛んだわけで、事情を聞くことになった。
「それで何があったの?」
「え?あ、あぁ、それはですね⋯」
遡る事オクスが屋敷を出た頃。
私は、オクスさんのお母様に連れられて屋敷を案内してもらっていました。
「ご丁寧にありがとうございます」
「いいのよ〜最近平和だから暇なのよ。オクスも中々帰ってこないしね?ところでスイちゃんはこっそりついてきているけれどどうゆう意図かしら?」
そう声をかけると廊下の角からスイが出てきた。
「わりと本気で隠れていたのですが⋯」
「最初は誰か分からなかったわ。ところでスイちゃんもしかして私に甘えたくなっちゃった?」
「なんでそうなるのですか⋯違います」
スイは冷静にファルの言葉を否定した。
「あら残念。本当の目的は私が何かするんじゃないと思って念のためについてきたってところかしら?」
「逆に何かしないのですか?だいたいこういうときは何か裏があるとオクス様から聞いていたのですが」
「そんなのするわけないじゃない〜ちょっといろんな服を着て見せてもらうだけよ〜ミレイじゃ着れないような服もあるしね。それともスイちゃんが着てくれるのかしら?」
結果論としてはオクスの直感は当たっていた。エル着せ替え人形にでもするつもりだったのだろう。
「え、えぇ⋯拒否権はありますか?」
「ないわ」
「そうですか⋯」
主人とメイドという立場上基本は断ることはできない。選択肢はイエスオアイエスなのだ。
そうして、エルはまだちゃんと理解せぬまま、スイは経験からすぐに逃げ出したいと思いながら衣装部屋へと入っていった。
別にスイは着せ替え人形になること自体にそこまでの抵抗はなかったりする。
ファルの興味が失せることはなく何か区切るものがないとそこまで終わることはない。
ただ、その区切りが地獄の訓練というのがよろしくない。これは訓練という名の拷問なのだ。
反撃してそれで一撃いれるまで終わらない訓練。
文字だけ見れば普通かもしれない。ただ、相手がこの国最強の魔法使いだったら?
四六時中やまない魔法の弾幕を避けるなり、防御するなりし続け、スキを見つけて攻撃を入れないといけない。もちろん相手に防御されることも想定しないといけないので不意をつかないといけない。
それに最もな問題として、瀕死になったとしても後ろに控えている救護班十秒で復帰させてくれる(させられる)。休みなどない本当の意味の地獄である。
そして、その時が近づいてきた頃
「1回訓練でもして気分転換しましょ?」
いつもこの言葉から始まる地獄に対してスイは
(ああ、終わりましたね⋯死にかけるのが5回ぐらいで済むといいのですが⋯)
そんなスイに希望の光が
(オクス様が帰ってきたみたいですね⋯もしかしたらなんとかなるかもしれません)
スイは隙をついてエルに耳打ちをした。
「エルさん」
「なんでしょうか?」
「今から始まるのは地獄です。オクス様がちょうど帰ってきたみたいなのでエルさんだけでも逃げてください」
「え!?何が起きるんですか?」
「とにかく今のうちにオクス様がいるところまで連れて行くのでなんとか逃げ延びてください」
そういった感じで2人の逃走劇が始まり、2人がファルに追いかけながらもなんとかオクスのもとにたどり着き、無事に一時退避することができたのであった⋯




