ep.42 入学
あの色々とインパクトが強すぎた日から三日が経ち、今日は入学式だ。だから、俺は新品の制服に身を包み馬車で移動していた。
「オクス坊ちゃまが馬車をお願いして下さるなんて爺は感激です」
「ジェイル爺ごめんね。もう歳も結構いくだろうに⋯」
と小窓から馬車を運転する老執事へと話をした。
「老体だからこそビシバシ使ってくだされ。これが爺の生きがいのようなものですから」
「わかったけど無理はしないでね。もうお孫さんもいるんですよ?」
「ホッホッホ、まだまだ現役。オクス坊ちゃまが独り立ちするまでは死ぬつもりはございません」
と珍しく馬車に揺られながらオクスは世間話で盛り上がっていた。そうしているうちに学園についた。
「爺はオクス坊ちゃまの晴れ舞台応援しております」
「できるだけ頑張るよ⋯」
オクスはあることのせいで頭を悩ましていた。
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そのあることとは、入学式に関係しているのだ。
そのせいでオクスは今舞台の裏手に来ている。
「嫌だなぁ、新入生代表だなんて⋯まいっちゃうよ」
そう、これは遡ること三日前のことだった。
オクスが無事に合格を伝える為に屋敷へと向かっていた。そうして、着いた頃にはなぜか既に伝わっていたのだ。
「え?まだ伝えてないと思うのですが?」
「伝えるも何も、既にこれが届いたからな」
と丁寧に包まれた学生服と一通の手紙が封入されていた。
「オクス、特待生なんて凄いじゃない。流石私達の息子ね」
そこまで伝わっているのは予想外だった。原因として考えられるのはおそらくあの手紙だろう。
「その手紙を少し読んでも?」
「あぁ、もちろんだ」
レインから手紙を受け取り内容を確認してみるとそこにはこう書かれていた。
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『オクス・フォン・テラン殿まずはご入学おめでとうございます。オクス殿は今年度の特待生として選ばれましたことを改めてお伝えさせていただきます。
それにつきまして、入学式において新入生代表スピーチを行っていただきます。そのため、内容を考えて頂ければ幸いです。
アストラリス学園教職員一同
追伸
試験の件については特に気にしてはいませんが、ただ中等部で少し問題になっています。入学式後、学園長室へといらっしゃいなさい。
アストラリス学園学園長 ナヴィス・リル・アストレリオ
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oh⋯呼び出し⋯
そんな感じで憂鬱に入学式に挑む羽目になったのだ。




