ep.39 開拓に精霊を
色々あったが何も無かった⋯
何もない!一週間後の結果発表が楽しみだなぁ⋯
こういう時は何か集中できることをすればいいと昔テレビで見た事を思い出し、オクスはあのことに着手することにした。
そうして、転移した先は例の最果ての地である。
「確かにこれは普通の人は耐えられない魔力濃度だ⋯早い所浄化しないと」
うーん⋯結構時間がかかりそうだな⋯
おおよそ浄化にかかるのは二年から三年と言ったところだろうか?
そうなってくると俺がいない時も浄化し続けないといけないので、この日の為に考えておいた魔法を使うことにしよう。
「ここなら派手に魔法を使っても問題ないだろうし、全力でやってみよう」
そう言ってオクスは空と地面に大きな魔法陣を二つ出現させた。
地面の魔法陣は、浄化の魔法陣。空の方は結界の魔法陣だ。けれど、これだけ大きな魔法陣を使い続ければいずれ魔力が枯渇してしまうだろう。
そのための結界だ。この結界には二つの役割がある。
一つは、魔力を外に逃さないようにするため。
もう一つは、魔力を吸収して、魔法陣を維持するための魔力とするためだ。
つまり、浄化が終わらない限り魔法陣は消えることはないし、浄化された魔力を循環させつつ一部を使うだけなので、土地が魔力枯れすることもない。
「浄化の方はこれでよし、あとは⋯」
オクスは精霊術を使い、火水土風の中位精霊を召喚した。なぜ、中位精霊かというと一定の知識を有しているからである。だから、この通り、細かい部分は少し間違っているが話は通じる。
「まずは、召喚に応じてくれてありがとう」
すると精霊の一人が
「いえ、私たちは対価さえ貰えればいいです」
「対価はもちろん払うよ。君たちも魔力でいいのかな?」
「はい、私たちは魔力の塊のようなもの。それで構いませんです」
「分かった。それじゃあ君たちにお願いしたいのは、ここを自然豊かにしてほしんだ」
「ここは随分と魔力濃度が高いです」
「もしかして少し高過ぎるかな?ならもうちょっと浄化してから頼むことになるけど⋯」
「いえ、私たちは魔力濃度が高ければ高いほどいいです。ここなら対価も払う必要はないです」
「そう?じゃあ、お願いしてもいい?」
「わかりました。召喚主の望むようにするです」
話が早くて助かる⋯
「えーと、時々顔を出しに来ようと思うんだけど、その時になんて呼べばいいかな?」
すると精霊たちは互いに顔を合わせ
「私たちは名前がないです。召喚主がつけてくれると助かるです」
「そういえば、精霊で名前があるのは上位精霊と精霊王だけだった。うん、分かった。じゃあ⋯」
そういった感じで、それぞれ炎の精霊がフレア、水の精霊がウィーネ、風の精霊がシルフィア、土の精霊がアースとなった。
「それじゃあ、みんなよろしくね」
そう言ってその日は転移で屋敷へと戻った。




