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ep.27 狐の少女

「お兄ちゃんは怖い人じゃない?」

「信じてもらえるかわからないけどそうだよ」

「信じる。お兄ちゃん優しい気配がする」

「ありがとう。なら少し失礼するよ」

レイたちに始めてあった日を思い出す。あの時は精霊に頼らないと回復魔法は使えなかったけど、今は違う。手をかざすとそこから淡い光が輝いた。

するとみるみるうちに傷が治っていった。

「無詠唱で魔法が使えるようになっていてよかったかもしれない。次は⋯」

オクスは首輪に手をかけ、錠を手で握りつぶした。

すると、首輪は甲高い音を立て地面に落ちた。

「あとは、シンさんこれで何か食べ物と飲み物を買ってきてもらえますか?」

「わかったでござる」

と硬貨が入った袋をシンに託した。

「どうしてそこまでしてくれるの?」

「ん?僕がそうしたかったから。でも、ちょっとやりすぎちゃったな」

自分が起こしたこの状況に頭を抱えてしまう。

「⋯ありがとう助けてくれて」

「やっぱりひどいことされてたんだ。ともかく助けれてよかった」

ほんとによかった。個人的な理由が大きいけど、こんなことが明るみに出れば獣人国との戦争になりかねない。

「オクス殿ー、一通り買ってきたでござるよー」

「じゃあこの子に」

パンと水を渡すとよっぽどお腹が空いていたのか勢いよく食べ始めた。そして、食べ終わった後

「私はツクモ。お兄ちゃんは?」

「僕はオクス。一応貴族。でこっちがシンさん。すご腕の侍」

「シンでござる」

「まずはあらためてありがとう。私、逃げてる途中に捕まっちゃって売られそうになってたの」

「逃げるって何から?」

「わからない。ある日お父さんとお母さんが私にすぐに逃げるように言ったの。始祖とか元祖返りとかよくわからない事を言って」

「その後どうなったの?」

「お母さんは急いで私を急いで近くの森に隠して、隣の国まで逃げるように言った。入国できるだけのお金を渡して」

要するに命からがら逃げてきたようだ。

「でも、よくこんなところまでこれたね。国境からはかなりの距離があるけど」

「それが、気がついたら国境を越えてたの」

「⋯不思議なこともあるんだな。ツクモはこれからどうするの?」

「わかんない⋯」

それはそのはず、いきなり一人で過ごせと言われているのだから。

「なら、一緒に来る?ここであったのもなにかの縁だしうちならそういうの気にしないし。保護って形になるけど」

「いいの?私、人じゃないよ?」

「そんなの誰も気にしないって、うちには色々な人がいるから」

オクスは手を差し伸べ笑顔を作った。


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