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転生貴族の領地開拓日記〜最強領地でゆったりスローライフ〜  作者: 霜野みぞれ
序章 未練残りの転生

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幕間 二人が屋敷に馴染むまで レイ編

「はぁはぁ⋯」

俺、レイは訓練場で息を切らしながら倒れ込むように上を見ていた。

「強くならないと⋯」

そう言葉する理由は、自分がオクスの専属であり護衛を意味するから。だけど、オクスは十分なくらい強い一人で身を守ることも可能だと思う。それにスイも最近成長してきているし、置いていかれたくない。

だから、俺もオクスのように剣術も鍛えようと思ったのがこのざまなわけ⋯

そんな彼を上から覗き込む人物がいた。

「大丈夫でござるか?」

シンだ。シンはレイをじーと見つめたあと腰に掛けていた水筒を差し出した。

「飲むといいでござるよ」

「おりがとうございます⋯」

ともらった水筒の水を飲み干したあとレイは問うた

「シンさん、俺強くなりたいんだ。どうすればシンさん俺に武術を教えてくれ!」

オクスに聞く話によるとシンは恐ろしいほど強いらしい。

「某でござるか?レイン殿と比べた某などこれっぽちでござるよ。それでもいいでござるか?」

と指を小さく動かしそう言った。

「そんなことは気にしない」

「わかったでござる。ならそこで少し見ているといいでござるよ」

と的の前まで移動すると腰に抱えている刀に手を掛け

ただ空間を切るかのように風よりも素早く刀を振った。そして、数秒後的は真っ二つに割れた。

「すげぇ!」

「レイ殿これが某が一番得意とする『居合』でござる」

「シンさんはあれで魔法を使ってないだよな」

「本気でやるとき以外は使わないだけでござるよ。某は魔力量が人より少ないでござるからな」

「へー。でこれを教えてくれるのか?」

「まず、刀術を学ぶでござる。基礎あってこその技術でござる」

と木刀を差し出してきた。

「まずは素振り百回でござる」

「はい!」

魔法訓練のあと刀の訓練という日々を繰り返し始めて約一ヶ月。

「もうそろそろ良さそうでござるな」

「ということは⋯」

レイは期待した目シンを見た。

「某と一本勝負でござる。もちろん居合は使わないでござる。そちらは魔法を使っても構わないでござるが刀に魔法を込める以外禁止でござる。時間は三分でござる」

唐突に始まった勝負話。レイはついていけていなかった。それに

「え!?そんなことできないぞ」

いきなり言われてもできないものはできない。

だが、シンは

「もう既に感覚は掴んでいるでござる。もし、某に一撃入れられたら居合を教えるでござるよ」

そうして、地面に刀を突き刺し木刀を手に持った。いつでもかかってこいと言わんばかりの圧力だ。

ここの時点で負けたら論外ということだろう。

「やってやる!」

レイは木刀を掴み一歩を踏み込んだ。

そして、シンは手に持っていた時計に目をやった。その後目を前にやると

「いい選択でござる」

そうつぶやいた。

レイは正面からシンに向かって走っていた。

一対一の戦いにおいて変な小細工は逆に身を滅ぼすのだ。

「おりゃー!」

「振りが大きいでござる」

と攻撃をいとも簡単に受け流した。

「なら⋯」

レイは脇腹に狙いを定め刀を振った。しかし、木刀が脇腹に届くことはなかった。

「目線で攻撃が読めるでござる」

シンは一撃一撃に的確に指摘をしていく、それだけ()がいいのだろう。

「ただの刀では攻撃は当たらないでござるよ」

「くっそー」

こういう時こそ俯瞰して考えるなんてことは俺にはできない。だから、ただ無意識、自分の底にある直感に頼ることにした。

「何度も同じことは無意味でござる」

と直進してきたレイの攻撃を受け流そうとシンは木刀を構えた。

(かかった!)

木刀を振りその木刀は液体と化し木刀をすり抜けた。

魔法を共有しているうちに水魔法が使えるようになっていたのだ。

木刀を通り抜け実体を取り戻した木刀は確実に当たると思っていたがシンは即座に木刀を離し、バックステップで距離を取った。

「もう一回!」

一歩を踏み込もうとしたとき無謀にも時間は来てしまった。

「時間切れでござる」

そう言うとシンは詠唱文を呟いた。

そして、風が生成されると時間切れに気がついていないレイの動きを抑えた。

「あとちょっとだったのに⋯」

「頑張ったでござるな。では結果を伝えるでござるよ」

「不合格だろ?」

「いいや合格でござるよ」

その言葉にレイは飛び起きてシンの肩を掴んだ。

「なんで!?」

「それはちゃんと攻撃が届いたからでござる」

トントンと着ていた着物を指すと水でシミができていた。

「ということは⋯」

「明日からは居合の訓練でござる」

「やったー!」

「それではひと休みでござる」

二人は詰所へと休憩のために戻ると何か中が騒がしい。

「なんかあったのか?」

「まあ入ったらわかるでござる」

とドアノブに手をかけドアを開けるとそこにはおにぎりを貪り食っている兵隊たちがいた。

「あ、シンさんにレイ。訓練のあと?」

オクスがおにぎりが入った容器を持ってこっちに近寄ってきた。

「なるほど、そういうことでござるか。オクス殿一つもらってもいいでござるか?」

「あ、はい!どうぞ。レイも」

と手渡されたので食べてみると

「なんだこれおいしい!」

「そっか〜、これスイが作ったんだよ。その証拠に⋯」

と後ろを見ると

「まじでうめぇ~」

「スイちゃん天使過ぎる」

「喜んでもらえてよかったです」

そう言って笑顔を作ると兵隊さんたちは

「ま、眩しいッ」

「生涯に悔いなし⋯」

「お、おい正気を保て!死ぬには早いぞ!」

オクスが顔をこちらに戻し

「まあ、そういうことです」

「いつもこうはならないでござるから不審には思っていたのでござるがこういうことでござったか」

「スイすげぇ⋯」

レイは感心していた。

スイは元々人見知りな性格だったし、いつも控えめだった。けれど今は成長しているのだ。

レイはそんな姿を見て、自分も頑張ろうと決心するのだった。





次の章からやっとタイトル詐欺を抜け出せるぜ。

切り目が今までなさすぎだぜ。

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