ep.11 仲間を求めて一里先
(思っていたよりあっさり出てこれちゃった)
オクスは後ろを振り返り屋敷を見てそう呟いた。
(いいじゃないですか。平和的に解決したんですから)
(まあそうだけど。すんなり行き過ぎで⋯)
(それ以上は駄目です。そんなメタい発言はNGです)
メタい発言て。それ天使が言うことか?
道を歩いているうちに街の中心地へと来ていた。
(ただ歩き回っても意味ないし、行きたいところ行ってみるのもありかも)
どうやらこの世界には、ゲームとかでよく聞く冒険者業があるらしい。つまり、ギルドもあるってこと。
(登録しに行ってみようかな)
(いいと思いますよ。あって困るものではないようですし)
当面の目標はギルドを探しながら仲間探しをすることにした。
(じゃあ、行こう!)
とはいったものの⋯
「街広すぎだろぉ!」
ギルドを探すにも見つからず、そんな都合よく出会いがあるわけでもなく。
乱れた息を路地裏の壁にもたれながら整えていると何か大通りのほうが騒がしいようだ。
「ハァハァ」
早く行かなきゃ
「誰かその子供を捕まえてくれ!」
(あそこの路地に入れれば!)
「なんか騒がし⋯ぐへぇ゙」
その子供はオクスに全力疾走したまま衝突して大通りへと跳ね返された。(もちろんオクスも飛ばされた)
その拍子に抱えていた何かが腕から転げ落ちた。
「あ、ごめんね。大丈夫?」
オクスはその子供に手を伸ばしたが
「触るな!」
と手で払われてしまった。
その子供は急いで落としたものを取り走り出そうとしたが
「捕まえたぞ!」
「クッソ、離せよ!」
じたばたとその子供は男の腕の中で暴れていた。
男は子供を抑えながら笑顔をオクスに向け
「坊主ありがとな」
「あ、いえどうも。ところでどういう状況ですか?」
「てっきり気がついているものと思っていたが⋯この子供がうちのパンを盗もうとしたもんで捕まえたんだ」
「あー、なるほど」
服装から見て孤児だろう。
どんなに善良な街だろうとどうしても存在してしまうのが孤児やスラムだ。
水を浴びることもできず、その日を生きていくのが精一杯。きっと生きるために行動を起こしたんだろう。
「おじさん、それ僕が買うよ。お代はいくらですか?」
「お、おぉ、銅貨五枚だ」
それぐらいなら持ってるな。
「これで」
「いいのか?こんなの買って」
「いいんですよ。この子にあげますから」
オクスは屈んで
「なんだよ!助けたつもりかよ!」
「君、名前は?」
「お前の言う名前なんてねぇよ!」
嫌われてるなぁ〜
「そう、じゃあ君にこれあげるよ」
「ふん」
その男の子はパンをぶん取って走ろうとしたが急にバランスを崩した。
「ヴッ」
「怪我してる⋯」
どうしようまだ回復魔法は練習してないし⋯
(エルなんかいい案ない?)
(それなら精霊に手伝ってもらえばいいのではないですか?せっかくの精霊術ですし)
(確かそれならいけるかも)
(それじゃあ願ってください。精霊たちに助けてほしいと)
(わかった。精霊さんこの子の傷を治したいです。助けてください)
その願いに呼応するかのように周りに光がふわふわ浮かび上がってきた。
「こんな感じなんだ」
意識して使うのは初めてだから感覚は不思議な感じだ。
「傷つき者に癒しを与えよ ヒール」
そして、傷は淡い光りに包まれて回復したのだった。




