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黒き竜殺しの思春期少年、少女達  作者: 正 三元
第2章………待ち構える世界
22/32

やりました達成感

木の葉の擦れる音、虫などの鳴き声、なにかが移動する音が聞こえてくる方向に、しばらく進むと広がっている河川敷を見つけた、あそこならクサノオウが生えているだろう。


イノシシの様なやりました達成感が少し離れた沢の様な場所で、2匹居るのを見つけた。


『あれって………」


つがいだと思われるイノシシのような生き物の近くに、クサノオウ草と思われる存在を発見する。


体長は1メートル以上ある、イノシシのような生き物は、体毛は灰褐色でずんぐりとした体型で、弧を描く長い2本の牙が特徴的だ。


2頭は沢で休憩中なのか、沢近くから動く気配を感じられない、将生は無駄に戦闘しないで、様子を見て2頭がいなくなるのを待つ事にしようと考えた。


『主さま、あれはバッファボアと言う幼少期の幻獣であり、将来的にはクロミュオーンの大猪という魔物に成長すると思われます。

そうなれば、今の能力値も上がり体毛は白に変色し、人を害する魔物に成長すると、討伐は難しくなると思われますが、それでも見て見ぬふりを続けますか?』


「えっ、あれって魔物の子供って事なの?」


その2頭の様子を木立の隙間から窺いながら、どうしたものかと考えるが、一気に走ったとしてもバッファボアがいる位置には、将生の走力では数十秒は掛かると思われた。


その数十秒はバッファボアに気付かれ、逃げられるのなら将生はそれでもかまわないと思ったが、逆にあの大きさの2頭に突進攻撃を同時にされたら?


いや、もしも時間差での突進攻撃があった場合は、どちらにしても1回目の攻撃は交わせたとしても、2回目は交わせない確率は高い!


『主さま、良い考えがあるのですが?私の意見を聞いて見ますか?』


「うん、おねがい。」


『では………………です。主さまにとっては、初めての事だと思いますが、これぐらいの事を出来ないと、呆れ………ゴホッン、主さま実行してみてはいかがでしょうか?』


「んっ?何か引っかかるけど、まぁ、自信はないけど、やってみますか!?」


そう言った将生は、腰に下げた剣を抜いた。


漆黒の刃が鞘から抜かれたと同時に、涼しげな金属の擦れる音が鳴る。


漆黒の剣を構えて1度、深呼吸する。


セリーヌの家での洗濯時に使っていた風魔法を唱える、小さい風の渦が両足の裏に現れ、下から強めの風が吹き出して、将生の身体を僅かに浮かせた。


「よし!!」


将生は、バッファボアを見つめ、更に風魔法で強い風を背中に受けるように発生たせた。


バッファボアに向けて一気に距離を縮めると同時に、バッファボアも将生に気付くが、既に3つの存在する距離はない。


バッファボアの片側の前足と後足を黒き剣で斬り裂き、更に奥にいたもう1頭も同じように斬りかかったが、バッファボアの反応速度が速かった。


黒き剣が届く前に体当たりされ、後方に飛ばされるが、運良く転がるように転回出来たが、バッファボアの2回目の突進が向かってくる。


ヤバいと思った将生は動きが止めて、突進を受け止めるしかないと思い、足に力を入れて踏ん張る体勢になった。


それが偶然であり、無意識だったが足の裏にも意識が行った事で、片足の風の渦が破裂するように、風が散ると将生自身が飛ばされ、バッファボアの2回目の突進を交わす事になった。


通り過ぎたバッファボアに向けて、残った風の渦を爆発させて飛び込んで、黒き剣で斬りかかり、バッファボアの方側の前後の足を斬り飛ばした。


バッファボアの2頭は沢にそのまま横倒しになり、悲鳴の様な鳴き声を上げる。


横倒しでもがくバッファボアに、体当たりされて痛む腰と足を庇いながら、近寄り攻撃されての怒りのままに、バッファボアの腹に剣を突き立てる。


未だに悲鳴を上げるも、刺された腹と斬り飛ばされた前後の足から血が流れ出していく。


沢の水は赤く染まり下流へと流れていく中、バッファボアの悲鳴は段々と力を無くし小さくなっていく、そのバッファボアにとどめの一撃を首に黒き剣で突き刺した。


討伐した将生は血を流し、生き耐えたイノシシっぽい動物を見下ろしながら、本当に人に害をなす者だった事を自身で体験した。


だが、いま自分が結構残酷な事をしたんだなと改めて思っている、これ以上肉と骨を断つ感触や血の匂いを嗅がずに、済むと安堵の思いが心に広がる。


『(やれやれ、バッファボアは幻獣なのは確かだけど、魔族ではなく神族側の幻獣なのですから、大猪の怪物にはなりはしない。

今は主さまの優しさは、エキドナとオルトロスの子に向けさせても許しておきましょう………)』


気分が落ち着いた将生の視線の中には、水の流れにクサノオウが揺れている、将生は黒き剣を鞘に戻し近づいて行く。


15才の少年は気付いてはいない、鞘に収まった黒き剣の刃についたバッファボアの血が、黒き刃に吸収されて、元の綺麗な漆黒の剣になっている事に!


だが、これで将生にとっての初めてのギルド依頼は、達成されたことになったのだ、なんとなく頭の中で、将生は依頼達成のファンファーレを鳴らしてみる。


『主さま、成功なさって私は嬉しく思います』


「あっ、うん、ありがとう、夜刀が言ってくれなかったら、あんな風魔法の使い方なんて、思い付かなかったよ………でも、これで終わりだし、まだ体が痛いから、少し休んでから帰ろうよ?」


『そうですね、でも暗くなる前に町に戻らなければ、依頼達成の報告が出来ませんよ。』


「うん、わかったよ。」


周囲を見渡し、座るのにちょうどいい岩を見つけて、腰を下ろした。


水の流れる音や木の葉の擦れる音に、気分が和らいでいくのを感じていた時に、将生は今のバッファボアの攻撃を交わした時に、発動した風魔法を別の使い方でも使えるんじゃないかと思い付いた。


「さぁ。帰りますか!?」


目的を果たし、ギルドに帰り着いた時は夕方になっていた。


「フローラさんはいるかな?」


バックから採取した薬草をある程度を取り出して、ギルド内を見渡しても見当たらないので、少し待つ事にしたが、やることがないので、壁に貼られた依頼書をぼぉーっと見つめる。


「うーん、手書きだけど魔物が書いてあるヤツは討伐依頼だとはわかるけど、それ以外は何の依頼内容かもわからないやっ、それにランクもわからないけど依頼書の少し大きく書かれた、1文字がランクを表しているとは思うんだけど………」


そんな将生は、背後から声をかけれた。


「すいません。草収集の依頼をお受けしたんでしょうか?」


「はっ、はい、取って来ました。」


慌てて振り返り返事を伝えた人物は、体がガッチリしている30代と思われる容姿の男性だった。


「そうですか、草を手に持っていらしゃるので、そうじゃないかと思いました。

依頼ナンバーは何番でしたか?」


「えっと、0081番だったかと?」


「じゃあ、カウンターの方で、少々お待ちください。」


職員と思われる男性は手元のファイルを開き、依頼を確認する。


「クサノオウとセンニンソウとタケニグサの収集ですか、集めてきたものを出してもらえますか?」


「はい、どうぞ」


手に持っていたのと、バックに入れていた草を、男性職員に渡す。


「少々お待ちください」


男性職員は薬草図鑑で3つの草を確認していく。


「間違いなく依頼したものですね。ただ依頼よりも本数がだいぶ多いですね。ご自分用に採取されたのでは?お返ししましょう」


「いえ、近くに生えてたんでついでに取ってきただけで、依頼人の方にまとめて渡してください。」


多いと言われても、将生はフローラに何本なのかを聞いたのか?覚えていなかっただけで、適当かつ多めに採取して来ただけだった。


「そうですか。わかりました。 ではこちらが報酬となります。銀貨3枚です、ご確認ください。」


渡された銀貨をセリーヌに貰ったジャケットの内ポッケに入れる。


「これで依頼完了となります。

依頼達成お疲れ様でした。」


男性職員の言葉と報酬をもらい、将生は初めて自分自身だけで以来達成に、お金を稼いだ達成感を噛み締めていた。




ここまで読んで頂きありがとうございました。


誤字脱字あれば遠慮なくご報告して下さい。


今後も読んで頂けたら、幸いです。


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