表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒き竜殺しの思春期少年、少女達  作者: 正 三元
第1章………新たな世界での成長と暗躍
14/32

捕らわれの地下室

外は暗く辺りはみな寝静まった頃、女主人との面会から帰宅したばかりの、男爵でもある1人の男が屋敷内にある、地下室に向けて階段を降りていた。


30代後半で容姿は全体的に重量級の体型で、階段を降りるだけで息があがって苦しそうだ。


男爵の表情からは苦しげな様子は一切なく、逆に怪しげな笑みを浮かべている。


「手に入れてから、何日経つかな………」


ゼーゼーと息を吐きながら男爵は、地下室の扉に何重にも付けられた鍵を、1つ1つと開けていく。


カチャ・カチャ・カチリ、と最後の鍵を開けて扉の先に進んでいく。


地下室は冷たい空気に包まれており、少し男爵は身震いするが、それだけだ。


新しいオモチャが手に入った子どものように気分は高揚している証なのだ。


薄気味悪い笑みをさせながら、じっとりとかいた汗も、男爵にとっては心地よく感じているようだ。


貴族の地下室は、大抵は倉庫や食料庫として使うことが多いが、男爵の屋敷の地下室の奥には、もう1つ牢屋として使われている場所があるのと、男爵が安らぐ為の椅子と小さめな円形のテーブル、そして椅子の横に棚が設置されている。


男爵は牢屋の前に近づき、中の様子を見て少し落胆の表情をみせる。


「まだ眠っているのか………少し薬がききすぎたか?」フゥー、フゥー………


高揚していた気持ちを落ち着かせるるように、息を何度か吐きすて、牢屋の向かいに設置された椅子に、重たい体を椅子にあずけた。


「起きた時に、どんな反応をするんだ?

昨日のように泣いて叫ぶのか、ここから出してと懇願するのか………楽しみだ!?」


これからが本当に楽しみなようで、色々な想像をしては、だらしなく笑い、男爵の視線はジッと牢屋の中にいる人物に向けられている。


視線の先には10代前半だと思われる幼さを残した少女が1人、片足に重りが付いている鎖がつけられたまま、檻の中のベッドに横になっている。


その牢屋の中にいるリサ・マルディーという名の少女は、森の中を1人で歩いている時に拐われ、今は30代後半の重量級の男爵に捕まっている。


もちろん最初からリサを拐う計画ではなかった、何故なら盗賊達が生業にしている賞品として、拐ってきている娘達は、エルフの女性ばかりだったのだ。


元々は商品として捕らえたエルフの女逹の中から、愛玩具として購入しようとしていた男爵だったが、その中に紛れるようにいた幼いリサを、男爵は一目で気に入り、拐ってきた実行犯の盗賊達が要求してきた、少々高めの値段を男爵は喜んで金を渡した。


拐われた幼すぎるリサは盗賊達に汚される事もなく、重量級の男爵に買われたのだ。


生娘のままで買われた、幼いリサの体を遊び道具として、最初は精神的に苦痛を与え続ける事を重量級の男爵は楽しんでいた。


本来なら奴隷刻印の魔術をリサに施せば、男爵に逆らう事など出来ない筈なのだが、その魔術を施そうとした時に、リサの体が淡く光ったのだ。


その時の男爵や魔術師も、驚きの表情を見せたが、何度やっても奴隷刻印が刻まれる事はなかったのは、リサが人間とダークエルフの娘であり、半分だが精霊に守られている血族が奴隷刻印を弾いた。


見た目も少し濃い肌色は健康的な幼い少女にしか見えないが、人で言うならすでに二十数年は生き続けているが、エルフのような尖った耳の形はしていないのだから、人間の幼い少女に思うのは仕方がない。


そんな奴隷刻印を受け付けないリサが、男爵のいう事を何でも聞く人形にする為に、罪人を拷問するかのような、教育という暴力を男爵は楽しんでいる。


もちろん、幼く見えるリサの体を性欲やストレス発散の為ではなく、遊び道具として楽しんでいるのも事実だが、さすがの男爵もリサを幼い人間だと思っているのだから、リサの新鉢あらばちを無理矢理奪う事はしてはいなかった。


ようは無理矢理奪って、死なれては楽しみが減ってしまうと考えている。


そして男爵の好みの服装に着替えさせられて、ベッドに眠っているリサは、生きた着せ替え人形のようだが、その姿は男爵が崇拝する。


ある屋敷の女主人に似せているかのような、チャイナドレス風のドレスを身に纏ってはいる。


だが、足を鎖で繋がれた状態で、横たわっている様子は、罪を犯して囚われた罪人ようにも見えた。


じゃら、静かな地下室に鎖の音はよく響いた。


「んっ?起きたか………?」


起きてないとしても、待ちきれない様子の男爵は、そろそろ無理矢理でもリサを起こす気でいるのか、重い体を起こす。


「眠っている様子をずっと眺めてるのもよいが、やはり起きて反応を楽しむのが1番よい。」


男爵は楽しむ為なのだろうか?ワインセラーから1本のワインを持って来たのを、コップに注ぎ入れワインをぐっと飲み干し、椅子の横にある棚から鞭を取り出す。


棚の中には、罪人用の様々な拷問器具が置いてあるが、もちろん男爵はリサ・マンディーを壊すつもりはない。


精神は壊れるかもしれないが………できれば体に傷はつけたくないとも思っていた。


男爵は鞭を手に持ち、牢屋の前に歩み寄る。


「反抗するようなら、調教が必要だ。」


その声は反抗して欲しくない、というより反抗を望んでいるように、リサには聞こえていただろう。


じゃら じゃら……


先ほどよりも大きな鎖の音が地下室に響く。


「今そっちに行くぞ」


ふーっふーっと男爵の鼻息は荒く、ポケットに入っていた牢屋の鍵を取り出し、開けようとしている。


重量級の男爵の考えは間違っていた。


なぜならリサ・マンディーは、男爵が来る前に既に目を覚ましていたからだ。


それは男爵が地下室に降りてくる前の事!?


「…………」


リサが牢屋で目覚め、自分が牢屋の中にいること、枷をつけられて重量級の男爵に弄ばれている状況に絶望したまま、薬の効果で眠って見た夢だからか、リサにとっては忘れたい思い出が甦っていた、そしてダークエルフの父親の最後の言葉を………


『おまえの将来は………様に尽くしてあげてくれ、父さんが出来なかった事を娘のおまえに頼むしかないのだが、そしておまえが困った時も………様を頼りなさい、きっと力になってくれるはずだ、その時は………私の名前を言うんだ。

父さんと約束してくれ、私の可愛いリサに重荷を背負わせてしまうけど、………様に忠誠を………」


はぁー


父親との約束をハッキリと、思い出したリサは、深いため息を吐いた。


「とにかく、ここから逃げないと………」


自分は牢屋の中にいる。


周りを見回すが、枷を付けられ牢屋にいる自分に、改めて絶望感を味わい、無力感を思い知らされる。


リサは身体能力が人よりは高いが、たいした魔法が使えるわけでもない。


せめてもっと前に絶望感から、立ち直っていれば、この状況を回避する事も出来たかもしれないが、なんの打開策も思いつかないまま、扉が開く音に気付き慌てて、ベッドの上で寝たふりをしただけだ。


「まだ眠っているのか、少し薬がききすぎたか?」と重量級の男爵の声がして、叫びそうなるのを必死で抑える。


今までに重量級の男爵にされた事を思い出すだけで、ゾッと悪寒がリサを包み込んだ。


男爵の気持ち悪い笑い声が聞こえて、リサの体が強張り鎖の音が地下室に響く。


「んっ?起きたか………?」


しまった………後悔をしても、もう遅い。


男爵が、一歩、一歩と近づいてくる。


「反抗するようなら、調教が必要だからなぁ」


体がガタガタと震えて、また鎖の音が地下室に響く。


もう寝たふりも意味はない。


『くるなくるなくるな………!!』


リサが必死に心で叫んでも、男爵の歩みは止まる事はなく、牢屋の鍵を開ける音、男爵の鼻息が聞こえてくるだけで恐怖心が強くなる。


いやだ……いやだいやだいやだぁ!


自分の心臓の音がうるさい。


男爵が鍵を開けて中に入ろうとした時、リサは男爵の隙をついて牢屋から逃げれないか考える。


しかし、足に枷付きの鎖で繋がれた状態では、非力なリサでは満足に動けるはずがない。


でも、男爵に体当たりするなり、枷を投げて逃げるか、失敗してもしなくても、挑戦するべきだと思い、体に力を入れて立ち上がろうと、目を開けた瞬間………体が固まる。


視界に入った男爵は、あろう事か自らのパンツに下着を脱いでいるのだ。


「いやぁー、くるな!!」


こんな事は今まではなかった、薬を飲まされ裸にされて、全身を触り舐め回すか、態度が気にくわないと、鞭で叩かれたり頬を叩かれたり、髪を強く掴まれて、謝罪させられるだけだった。


それが、パンツを脱ぎさっている男爵の一物をブラリ・ブラリと揺らしながら、リサに近付いてくる


「くるなくるなくるなぁー……!」


………ドンッ!


体が鉛のように固まったリサの顔から、血の気が消えていくなかで、ベッドから落ちて後退りするが、直ぐに壁に当たり逃げ場をなくした。


「いやだ……いやだぁ……グフッ!」


リサの視界に写る男爵はすでに自分の目の前に立っている、男爵は右手に鞭を持ったまま、左手でリサの髪を握り、不気味に笑いながら言葉を発した。


「グフフ………さぁ、お前は私の物だという証しに、お前の口の中に私の一物を咥えさせてやろう………さぁ、そして私の物だと誓う証しに口を大きく開けなさい。」


男爵はそう言うと右手に持っていた鞭を手放し、自らの一物を支えるように持つと、口の中に無理矢理押し込もうとした。


うぐっ、ううぅぅ


ドクンドクン・ドクンと、心臓の音がうるさい。


口を閉ざし、汚い一物を入れられるのを拒み続けるのも今までの、重量級の男爵の行動から限界がある事を、リサは知っているが、歯を食い縛り唇を横一文字に紡いで抵抗してみせる。


「むうぅぅぅっ………」


拒み続けるリサに対して、男爵の汚い一物の先端が鼻先や頬を諦めろというかのように押され、臭い匂いを漂わせる一物が、リサの唇の隙間を抉じ開けようとしくる。


「強情だな?さぁ、口を開けて誓うんだよ。」


息も苦しい、思うようにリサの体は動かないまま、口を強く閉ざすだけで、精一杯なリサの体は震えが止まらない。


こわい、こわい、こわい………

イヤだ、イヤだ、イヤだ………


助けてぇ………口を男の一物の先端で塞がれ、男爵の一物がゆっくり前後左右に動かされる度に歯に当たる感触に、気持ち悪さと恐怖で諦めそうになってしまう、リサの気持ちを知っているかのように、男爵の一物は動いてくる。


いやだ、いやだ、イヤだよぉ………


とうとうリサの閉ざしていた口が僅かに開き、男爵がリサの口の中まで、一物を入れる為に突こうとした………リサは心の中で父親に言われた人物の名を「………」叫び助けを求める。


男爵の目の前で、リサの中にある血族の血が?意志がそうさせたのか!?それとも、名を呼んだ者の助けなのか、リサの体が一気に成長する。


身長が伸び・手足が伸び・髪が伸び・胸の乳房が膨らみ・尻が膨らみ・耳が尖り始めた。


その姿は20才前後の女性へと変化し、尖った耳の形は、リサ自身がエルフの血族だと証明するかのように、変化し終わると体が黒くモヤモヤとした霧の中に吸い込まれ、リサの姿が忽然と消えいく。


男爵は何が起きたのかわからず、その場で、一物を握ったまま唖然とするしか出来ない。


自分の屋敷の檻の中で、1人で膝から崩れ落ちていた。





ここまで読んで頂きありがとうございました。


誤字脱字あれば遠慮なくご報告して下さい。


今後も読んで頂けたら、幸いです。


レビュー、感想、ブクマ、いいね・評価などをして頂けたらとありがたいと思いますので、お手数ですが、どうぞよろしくお願いいたします。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ