第2話 いきなり幹部
なぜだ。いきなり魔王幹部とかおかしいにも程がある。しかも隊長ってなんだよ。俺はまだ仲間もいなければ武器もない。どんな異世界召喚とかの話でも主人公は武器は持ってる。俺は、それすらもない。ゲームでも最低ランクの武器に鍋の蓋とかのゴミみたいな武器があるがそれすらもない。詰んだ。出会って早々殺される。
デモクラネスはこちらを睨みながら言った。
「あなた、よくも私の正体を見破ったわね」
俺は「いや、ただぶつかっただけなのですが。」すると「そうじゃないわ、どうして私の名前をしってるの?」「いや、ただウィンドウに書かれてる文字読んだだけなんですよ?」
そう、先程から俺の目の前でちらついているこのウインドウはおそらく名前やスキル名などが表示できるのだろう。俺の方のウィンドウには名前とスキル名が書かれていた、スキル名はコピーアンドペースト。コピペ?なんのことかよくわからない。「何?私の名前は隠ぺいコマンドで消したはずよ!あなたもしかして、それを無効かさせたの?」とデモクラネスが叫んできた。周りの人達もざわざわとし、何やら怪訝そうな顔で皆がこっちを見てきている。「いやそんなつもりない!そもそもなんだよこの表示されてるやつ!」無効化?なるほど、俺のコピペというスキルはもしかしたら色々なスキルを無効化してしまう系の無双勇者か?と少し期待をしワクワクしてきた。
するとデモクラネスはあっ、と声を漏らした。
「隠ぺいスキルかけるの忘れてたわ」と、おい!俺のワクワクを返せ!と思いながらも、こうなった以上これと言った戦力がないので「そっちも手違いがあったわけだしさ、俺もこの世界来たばっかだから今のうちにお互い逃げるってのはどうだ?」と提案した。俺はたしかに小説とかでバトルしているのには憧れるが、戦力がない以上死んでしまっても元も子もない。
それに、今現在も周りからの視線が集まりすぎて、恥ずかしい。ぼっちにはとてつもなく恥ずかしい。というより誰かこの中に助けてくれるやつとかいないのかよ。と俺は内心弱っていた。 「この世界に来たばかり?あなたもとは別の世界から来たの?」とデモクラネスが少し警戒しながら訪ねてきた。「あぁ、こことは別の世界から俺は召喚されたんだ。」と俺は答えた
すると、デモクラネスは「もしかしてあなた、パソコンとかいう機械を使役するもの?」と聞いてきた。意外にもこの世界にもパソコンという言葉が知られてるらしい?と俺は思いながら頷いた。「なるほど、魔王様が召喚したパソコンについてきてしまったのね」とデモクラネスが言った。ん?召喚したパソコン?俺ではなくてパソコンを召喚したのか?俺はその時のおまけ?続けてデモクラネスが言った「魔王様はパソコン召喚をなさった時に周りのものまで召喚したものは自動的にこの街に捨てるように設定なさったのよ、で、私は万が一何か起こったときのためこの街に派遣されたってわけ」とご丁寧に説明してきた。そして「パソコンの存在とかを知っている以上あなたという存在は危険だわ、
やっぱりこのままこの街にもろとも滅ぼす!」
と言い放った。
なんだろ、もうゲームバランスめちゃくちゃじゃねーか。