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飴と少女とサラリーマンと

作者: 高町 凪
掲載日:2020/11/30

仕事が終わっていつも通り帰宅する。

誰もいない家に一人で帰る毎日。

家に帰っても特にすることも無く、・・・いや違う。

何もする気力が無いのだ。

去年妻を亡くしてしまってからは、何も。


ふと、冷蔵庫の中が空っぽだった事を思い出したオレは、

コンビニ弁当で済ませようと立ち寄った。


するとコンビニの入り口の隣でポツンと座り込んでいる一人の少女がいた。10歳前後だろうか。

こんな時間にどうしたんだろうと思ったが、やはり無気力なオレは声をかけることも無く、中へ入った。


弁当を買って外へ出ると、少女はまだ座っていた。

オレは何もせず帰ろうとした時、すすり泣くような声が聞こえてきた。


考えなくても誰のかはわかる。通りがかった他の人達もチラチラ見てはいるが、誰も声を掛けようとしない。


そんな様子を見ていると、いつしか妻を亡くした時の事を思い出した。そういえばオレもあの時はあんな風に泣いていた。けど周りは声を掛けたりしてくれる事は無かったっけ。


自然とオレの足は止まっていた。どころか少女の方に向きを変えていた。


(おい待て、どうする気だオレ。助けるのか? オレなんかに何が出来ると?)


そう考えているうちに、オレは既に少女の元にたどり着き。


「どうしたんだい?」


と声をかけていた。


「・・・おかあさん、いなくなっちゃった。」

「居なくなった? 迷子かな?」

「ううん、違う。死んじゃったって。もう会えないっておじさんに言われた」

「・・・そっか。えと、お父さんは?」


そう聞くと少女は首を横に振った。おそらくお父さんも前に亡くなってしまったのだろう。どうしたものか。


「あー、キミは誰かに引き取られるのかな?」


その問いに再度首を横に振った。


「みんな私のこと、要らないって言ってた」

「そう、なんだ。なんて酷い」


誰かも分からない恐らく親戚であろう人達に怒り覚える。

それはあまりにも酷な事だ。オレは自然と決意した。


「ねえ、もし良かったら、うちに来るかい? えと、怪しく思うかもしれないけど、キミさえ良ければ、一緒に暮らさないかい?」


少女はしばらく考えたが、少し笑って首を縦に振ってくれた。


「そっか。よかった。あ、じゃあ晩御飯買っていかないとね。キミは何が好き?」

「・・・飴」

「はは、それじゃお腹満たせ無いけど、買って行こうか。」

「うん!」

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