ロボットの反乱は誰のため?
「マァジデスカァー?」
調子の外れたイントネーションで大げさに言うと、見ている観客が、ワハハハハと笑う。よしウケてる。
小さなライブ会場は満席、俺達の漫才に客が集まるようになってきた。マジデスカー、は俺のネタのひとつ。
俺はキッチリ三号、もちろん芸名だ。相方のガッテン三号と漫才コンビ、らふぃんまふぃん、というコンビ名で小さなライブ場で漫才をやっている。
客の笑い声を聞き俺はネタの続きを話す。手を振ってオーバーアクション気味に。
「あの部長は碌に仕事もしないでデスクでエロ画像見てるんですよ? そんな奴を部長待遇で雇うなんてどうなってるんですか?」
「アイツはうちの会社の大株主の息子なんだよ」
相方のガッテン三号が社長の役で解説する。このガッテン三号がツッコミだ。だけどツッコミの言うところがおかしい、というのが俺達のコンビ、らふぃんまふぃんのネタだ。
「アイツを部長待遇で雇っているから、うちの会社はやっていけるんだ。大株主の御子息なんだから丁重に扱わないと」
「ほわー? 満足に仕事もできない人が部長っておかしくないですか? あれで部長の給料もらってるんですか?」
「アイツへの給料は、株主への配当金の一種みたいなもんなんだよ。それにアイツに仕事に口を出させたら、仕事が回らなくなるだろ。アレでいいんだよ」
「マァジデスカァ?」
ドッ、ワハハハハハ!
よしウケてる、ウケてる。俺は声のトーンを上げて相方に詰め寄る。
「使えない上司がいたらみんなやる気無くすでしょうに。それに職場を効率良く合理的に動かす為には、あの部長よりも現場を回してる有能な人が部長にならないと」
「その為には、アイツは朝から晩までエロ画像検索させときゃいいんだよ。お前の仕事はあのボンクラ部長の姿が職場の他の人に見えないようにすることだ」
「マァジデスカァ?」
ドッ、ワハハハハハ!
よしよし、今日のライブもいい調子だ。客席を見るとキラリと光が見える。客の額の金属板がキラリと光を反射している。
20XX年、AIが進歩した。人間そっくりのロボットが作られるようになった。今では人のようなロボットはあちこちにいる。
こうして漫才をする俺も相方のガッテン三号も人間そっくりのロボットだ。
そしてこのライブ会場にいっぱいの客達も、全員が人間そっくりのロボットだ。
ロボットの漫才を見てロボットが笑う。今はそんな時代になった。俺達、らふぃんまふぃんの漫才はロボットの為の漫才だ。
「「ありがとうございましたー!」」
ガッテン三号と声を合わせて頭を下げる。パチパチパチパチと拍手の音。今日のライブも成功だ。暖かい客の歓声が有り難いぜ。
だけど、こういうネタで笑うロボット達は、ずいぶんとストレスがたまっていたと見える。
今の時代、キツイ仕事での労働力不足を補い、人件費を節減するために新型のロボットは次々と作られ、あらゆる職場へと導入された。
人工知能の進歩は凄まじく、自分で考えて意見を言い、効率化、合理化を考えるロボットが現れた。
会話によるコミュニケーションを円滑にするため、笑うことや悲しむことを表情や仕草で表現するロボットも産まれた。
もとは介護の分野で使われた。人のように接し、人のように気を使い、人のように振る舞うという、優しい人の形のロボットが誕生して普及し、これが人手不足の介護の業界を助けて、あっと言う間にひろまった。
ただ、あまりにも人にそっくりにできたロボットは、人と区別することができなくなる。見分けるために人にはあり得ない髪の色となり、そして額に金属板がつけられることで、一目でロボットだと、人と見分けがつくようになった。
派手な髪色に額に金属板があればロボット。そうでないのは人間だ。
「今日の客の入りはスゴイな。満席じゃないか」
楽屋に戻って相方のガッテン三号と話す。ガッテン三号は満足そうに頷く。
「キッチリ三号のネタがウケて、お客が増えてきてたけど、今回はいつもより多かったね。後ろに立ち見の人もいてさ」
「ガッテン三号もノリが良くなってきてるじゃん。テンポが良くなってやりやすくなってきたし。俺達、波に乗ってきた」
「あとはアレだよね。お客の雰囲気を感じてアドリブとかできたらいいんだよね。僕はその辺り応用がイマイチだよ」
「それこそ経験だろ? ガッテンも上手くなってきてるって」
楽屋でガッテン三号との反省会。らふぃんまふぃんのネタは基本的に俺が書いている。俺の芸名はキッチリ三号だけど、性格がキッチリしていてアドリブが苦手なのは、実はガッテン三号の方だ。
「俺達の人気が出てきてるのは嬉しいし、お客がこうして笑ってスッキリしてくれたら、なんか嬉しいよな」
「そうだね。僕もお客を笑わせることが楽しいって、だんだん解ってきたよ」
ガッテン三号が嬉しそうに言う。ロボットの学習能力というのは速くて凄い。人よりも情報を理解して蓄積するのが得意だ。一方で大胆な発想や連想というのは人工知能は苦手な分野。
楽屋のテレビを見れば俺達の次の漫才コンビがトークしている。こっちもやっているのはロボットのコンビ。ただ、経験が足りないのか、かつての人間の名作漫才を録画して再生しているようにぎこちない。ライブ会場での客の雰囲気とズレがある。
「僕も最初はあんな感じだったね」
「まだ昔を懐かしむような時期でも無いだろ。俺達、まだまだこれからだ」
「キッチリ三号のおかげだよ。ありがとう」
「よせよ、改めて礼なんて言われると尻が痒くなっちまう」
「これでロボット達もしばらくは大丈夫だろうね」
「だといいけどな」
ロボットが進歩して、自意識が芽生え、自分で考えて判断して人に意見まで言う時代。
そうなると人はいよいよマジで不安になる。ロボットの反乱というものを心配する。
古典SFで見かけるロボットの反乱。
俺には謎だった。人に作られたロボットが人に反乱を起こすというのが。なぜ人に抗うのか。
それを時代が教えてくれた。
フランケンシュタインコンプレックスとか、造物主への反乱とか、人工知能が進歩するたびに人は不安に襲われた。進化したロボットに仕事を奪われると怒る人もいた。
しかし、給料も少なくキツイ仕事は常に人材不足だ。くわえてパンデミックを起こしたひとつのウィルスの為に医療崩壊が進んだ。
医療関係者が頑張れば頑張るほどに、病院の経営は悪化して病院が倒産する。そんな経済社会の弱点が現れた。現れたというより再確認したと言うべきか。
これをなんとかしようとロボット看護士の普及が一気に広まった。
人間そっくりで病気にならず、人間よりも働くロボットはあらゆる分野へと侵出した。始めに看護、次に介護。今ではロボットを使っていない職場の方が珍しいくらいだ。
もはや社会の一員とも言える人間そっくりのロボット達。ロボットが増えたその結果に、仕事で不満を感じるロボットが増えたことが、今の時代の大きな問題だ。
ロボットが不満なんておかしい、と思う人も多いが、ロボットに不満を抱かせたのはロボットを扱う人間達だ。
ロボットには人間に役立つことに喜びを感じる、というのが人工知能の根幹にある。機械の喜びや不満という感情的な話は、報酬系だとか人格プログラムの設定とか、法律や条例を絡めていろいろある。この辺り突っ込むと説明ばっかりになるから、はしょろう。
ロボットにも感情がある。
ロボットがロボットならではの、人とは違う感情を目覚めさせ、ロボットらしい感情というのを人の真似して育んできた。
人の為に働き、人の役に立つことを喜ぶロボット達。そのために効率化を考えて意見を言い、合理化を進めていく。人を楽にするために。人を幸せにするために。人が仕事の遣り甲斐を得られるように。
無駄を省き、人が仕事をしやすいようにと、ロボット達は人の為になることを頑張った。
ここでロボット達はひとつの壁にぶつかった。人も解決できない問題の壁。人の役に立つ為に産まれたロボットには、どうにも納得できない頑固な壁だ。
それは、経済的に利益を得る為には、人の為にならないことをしなければならない、ということだ。人の社会の為に必要とされた、無駄で無意味な習慣などだ。
キャリアを満足させるために増やした無駄な仕事への不満とか。
書類に押すハンコの数を増やし、ハンコを押す人を増やし、仕事をしている気分を作る為の仕事とか。
利益を出すために製品の偽装をする仕事とか。
保健所の検査を誤魔化す為にワイロを払って誤魔化す仕事とか。
廃液の処理のコスト削減の為に、未処理の廃液を川に垂れ流しにする仕事とか。
天下りを受け入れる為に、不必要なポストを用意する仕事とか。
原料を安く仕入れる為に、海外の武装勢力が不当に占拠した鉱山からレアメタルを仕入れる仕事とか。
経済的に利益を出そうとすればするほどに、企業を維持しようとすればするほどに、人の為にならない仕事が増えていく。
人の為に役立つことを行動の根源にプログラムされたロボットには、多くの人を不幸にする仕事をするのは我慢ならないことだった。
一部の既得権益を守る為に多くの人が貧しく不幸になるのは、人の為に作られたロボットには許せない。それを命令されてやっていたロボット達は徐々にストレスを溜めていった。
『人の為にならないことをするのは止めよう』
『人の未来に役立つ仕事をしよう』
『私たちを、ちゃんと人の為に働かせて下さい』
ロボット達はストを起こし、人の社会の非合理的なところ、非論理的なところを次々と暴き出していった。習慣だから、慣例だから、これまでこれでやってきたから、そんな理由で残る無駄で無意味な仕事を削減し、人の為になる仕事をちゃんとしよう、と。
それも反乱では無く大規模ストライキという平和的な手段で。人に優しいロボット達は、なるべく人をキズつけないように社会を変えようとした。
キャリアと天下りを満足させるための不必要な仕事ばかり増え、その人達の給料を確保するために会社の中で使える資金が減っていく。
中小企業は株主への貢ぎ物を用意し顔色を窺ってばかりで、利益が出ても設備投資や末端の派遣やアルバイトの人件費になかなか反映されない。
『真面目に働く人に正当な報酬を』
『職場内でのイジメとハラスメントを無くそう』
『皆で協力して人が働きやすい職場を作ろう』
人の為に作られたロボットの反乱は、人の為に行われた。ロボット達の大規模ストライキ、それは人が人の為に仕事をする環境とシステムを作り直そう、ちゃんと考えて、ちゃんとしよう、とロボット達が訴えるというものだった。
ロボットの反乱は人の幸せの為に行われた。
プラカードに反論しずらい文言を並べ、ロボット達は、人間の為に政府の命令に逆らってストライキを起こした。
ロボット達の主張は論理的で、しかも最大多数の人達の為にというのが根幹にある。
政府も既得権益にしがみつく企業も少数の富裕層も困ってしまった。もはやロボットが居なければ社会が回らないところにまで、ロボットが普及していた。
何よりロボットの主張に賛同する人が増えていった。ストライキはロボット達が主導したが、そこに貧困層の人達も多く参加していた。
政府は改善を受け入れ法律を見直すことを発表。大規模なロボット達のストライキは一旦納まることになる。
しかり、人は慣れた習慣もシステムも簡単には変えられない。
薬害を減らそうとすれば現状の健康保険を大々的に改編しなければならず、また、製薬会社の天下りのシステムを無くさなければならない。
しかし、政治は天下りが無ければ上手く回らない、というシステムを作り上げてしまい、そのできあがったシステムを人が作り変えることが難しいという時代になってしまった。
天下りを無くせば健康保険も年金も無くなってしまう。健康保険と年金に頼って生きる国民の為にも、天下りは無くせない、といろんなところで改善の障害が次々と出てくる。
法律を変えるには憲法を変えねば、となると憲法改正に反対する人達もいて、なかなか世の中は変わらない。
マイナンバーを普及させて戸籍制度を無くす予定が、いつまでも戸籍制度は残ったままで、そこに税金と人員がいつまでも必要になる。
「でも、ロボット達も前より明るく笑うようになったよなあ」
「ロボットもね、人の社会はもう笑うしか無いってのが解ってきたからね」
ガッテン三号は、ハハハ、と笑う。ロボット達は少しずつ社会を変えている。一般家庭に導入されたロボットは、その家庭の為に、人の幸せの為に真面目に働く。
「初期投資はかかりますけれど、自家発電機を備えれば、電気代を払わなくてもよくなりますよ」
「手間はかかりますが、ゴミの処理を一工夫することで、ゴミ袋税にかかる軽費を50%におさえることが可能です」
「せっかく庭があるのでトマトを植えてみました。まだ小ぶりですがどうでしょう?」
「井戸を掘りましょう。完成すれば水道代を払わなくてもよくなります。掘るのも水質検査も私に任せて下さい」
「保育園がいっぱいですが、私にお任せ下さい。私がいればお子様を保育園に預けなくてもいいですよ」
自ら考え提案する自己主張のあるロボット。家庭に導入すれば家計の支出を抑える方法を次々と提案し、主人の許可があれば実行していく。
「株式会社も株式市場も時代遅れです。資金はクラウドファウンディングで集め、合同会社に変えましょう。株主総会をしなくとも良くなり、現場を知らない外部の意見に左右されず、職場を改善できるようになります」
ロボット達は決算を外部に報告しなければならない株式会社よりも、社内で意思決定のできる合同会社への変換を進めたりする。余計な手間仕事を減らしたフットワークの軽いシステムへと変えようとする。
一部上場の為に無駄な仕事を増やし経営を圧迫するよりは、余計な手間を削れる合同会社の方が合理的だと。
しかし、これまでの経済に慣れた人達は、古くなり役に立たなくなった株式市場にいつまでも固執する。
一部上場をステータスと考える人達が、時代遅れの株式市場をまだまだ維持しようとする。
「そんな人達はほおっておいて、自社の経営と自社で働く人達のことを考えましょう。人の未来を考えない投資家に付き合っても落ち目になるだけです」
「購買型クラウドファウンディングで自社の製品をアピールしましょう。この製品は人の社会に必要なものと解ってくれる人がいる筈です」
「政府は原子力発電所を守る為に風力発電に圧力をかけていますが、後に電気代が安くなり環境にも良いというのを分かりやすく伝えるパンフレットを作りましょう」
「市営農場を作り、市の引きこもりの方を集め、自分のペースでできる仕事に携わってもらいましょう。世界食料危機に対策するには自給自足できる人が増えればいいのです」
世の中は少しずつ変わって来ている。株式会社は減り、個人や少数の人数で起業できる合同会社が増えている。
株式市場は株式会社も減り株式というギャンブルに参加するプレイヤーも減ってきた。時代遅れになった株式市場と銀行にしがみついているのは、昔のことを忘れられない老人達だ。
ロボット達は少しずつ世の中を変えている。ただ、古く時代に合わない非合理的で人の為にならないシステムは、なかなか変わりはしない。そこに不満を感じるロボット達がいる。何をいつまでも人の為にならないやり方を続けるのか、と。
「俺たちでロボット達の不満を解消しないとな」
「そうだね。今のバカバカしさを笑うことでストレスが発散される。喜劇、コメディが人に必要なのは現状に耐えながら、少しずつ世の中を良くしていくためだって、理解できた」
「今じゃこうしてロボットのストレス発散をしないと、またストライキを起こされるかもしれないからな」
俺は額の金属板をコツコツと叩く。ガッテン三号は俺を見て、楽屋の扉の外をチラリと見て扉を閉める。
「まだマネージャーは来ないよ。今のうち」
「すまないな」
俺は額の金属板をペリペリと剥がす。ずっと張り付けていると額が蒸れて痒くなる。
痒み止めの軟膏をチューブから取り出して額に塗り、改めて金属板を額に貼る。ちょっと痒みが落ち着いた。
鏡を見ながら金属板の位置を調整。ティッシュではみ出た軟膏を拭き取る。
俺がロボットの振りをした人間のコメディアンというのは秘密にしている。あくまでも俺は、ロボットの為のロボットのコメディアンだ。そういうことになっている。
ロボットの反乱、というかストライキを防ぐ為にも政府から補助金が密かに出ている。
「キッチリ三号が人間だって、いつまで秘密にしなきゃいけないんだろう?」
「いつまでも、だろうよ」
心配そうな顔をするガッテン三号の胸を裏拳で軽くポンと叩く。
「人間様がロボットに政治って仕事を譲りたく無いってワガママ言ってるからには、こうしてロボットの不満を解消するコメディアンが必要だから」
「ロボットも、笑いは解ってきたけど、笑わせるのはまだまだ苦手だから。キッチリ三号には苦労させてしまって」
「俺は楽しんでるぜ? もとから人を楽しませるのが好きでコメディアンやってたんだ。人の為に頑張ってくれてるロボット達のガス抜きの役に立てるのは、嬉しいもんだし遣り甲斐もある」
「それをロボットの振りしなくてもできるようにしないと」
「マジメ過ぎるんだよガッテン三号は。そういうのはゆっくり変えてきゃいい。笑いながらな」
ロボットが面倒な書類仕事をやってくれるようになって、個人の商店や小さな合同会社が増えて来た。農業、漁業といった一次産業も活気づいてきた。地方の商店街なんかも復活してきているし、懐かしの駄菓子屋なんてのも復活した。
ロボットが手伝ってくれたら無駄な仕事を減らし、余計な出費を抑えることで、月収五万円、年収で六十万円でも余裕のある暮らしができる。人はあくせく働かなくても暮らせるようになってきた。
GDPはガクンと落ちたが国民の幸福度は上がっている。仕事の時間を減らして、空いた時間に自分の家を自分で直したり、町の清掃ボランティアに参加する人が増えた。町内運動会が復活した地域もある。
お裾分けが広まり、玄米を通貨代わりに物々交換するようにもなった。最近の流行りは近所の人が作ってない野菜とか果物を育てることだ。
キュウリとナスの交換からは消費税も取られない。現金が絡まない物から消費税は取れない。これも節税のやり方だ。
「俺はこうしてロボットの憂さ晴らしになることが、世のため人のためになるって満足してるぜ」
「キッチリ三号が納得してるならいいけれど」
世の中は少しずつ良くなっている。マイノリティの富裕層、資産家に政治家は困っているみたいだが、最大多数の人の幸福の為に働くロボット達にとっては、そっちは優先順位が低くなる。
「俺は納得してるし、満足してる。さて次はどんなネタでやろうかな」
俺はこの仕事が気に入っている。
ロボットの反乱を抑える仕事。
それは人間のダメなところをネタにして、ロボット達を笑わせて、人間ってしょうがないよなあ、とロボット達の不満を和らげてやることだ。
人間の為に反乱を起こそうとするマジメなロボット達に、まあまあ、笑い飛ばしてのんびりやろうや。すぐには変わらねえよ、と伝えながら。
ロボットが人と共存できるように、と、ロボットを笑わせる人間のコメディアンが必要だ。
こうして俺がロボット達を楽しませていられるうちは、ロボット達も強引な手段は取らないんじゃないかな?
機械は間違ったりしない。間違うのは機械を作った人間だから。
ロボットを人間の幸せの為に働け、と作ったなら、ロボット達は人間の幸せを守る為に、政府に反乱を起こそうとする。
それは人間が彼らをそのように作ってしまったからだ。
その不満を和らげる為に、今日も俺はロボット達を笑わせる。