第5話「にわか雨」
【注意】
・これは東方Projectの二次創作小説です
・原作にない設定、キャライメージの独自解釈等を含みます
降り始めた雨は一瞬のうちに強くなり、地面を叩きつけていた。
魔理沙「いやー、びしょ濡れだぜ…けどアリスの家がそれなりに近くて助かったぜ。」
アリス「まさか雨が降ってくるなんてね…私もびしょびしょよ…けど、花火大会が終わるまでなんとかもって良かったわね。」
魔理沙「まあそうだな、花火は最後まで見れてよかったぜ。綺麗だったな。」
アリス「ええ、そうね。…濡れたままでいるのは良くないからお風呂入れてくるわね。」
魔理沙「おお、分かったぜ。」
アリスは浴室の方に向かっていった。
今日は寒暖差が大きかったからか大気が不安定だったのだろう。本当に突然の雨であった。
魔理沙は独り、いつ頃雨が止むかな、と考え込む。その刹那、空に閃光が走る。それはつい先程まで見ていた鮮やかな光とは違い、鋭く激しい閃光であった。と同時に耳を劈くような音が鳴り響く。どうやら近くに雷が落ちたようだ。
魔理沙「うわああああ!か、雷は苦手なんだぜ…」
魔理沙は身を屈め身体を小刻みに震わせる。このタイミングでアリスが戻ってきて、その姿を見られてしまった。
アリス「ふふふ。その…魔理沙にもこういう可愛いところってあるのね。」
魔理沙「う、うるさい!私だって苦手なものの1つや2つくらい…」
その瞬間、またもや強い光が走り爆音が辺りに轟く。
魔理沙「うううううう…」
アリス「普段激しい魔法をよく使うから、こういうものには慣れていて雷は怖くないものだと思っていたわ。けど苦手なのね。よしよし、魔理沙大丈夫よ。この家には特殊な魔法がかかっているから、雷が落ちることは無いわよ。」
魔理沙「そ、そうか。なら良かったぜ…実は雷にはトラウマがあってだな…」
詳しく聞くことはしなかったが、どうやら魔理沙には、小さい頃雷で怖い目にあった経験があるらしく、それが原因で雷が苦手らしい。
アリス「それより、お風呂沸いたわよ。」
魔理沙「そうか、割と直ぐに沸いたな。…えっとだな、少しばかり言いにくいんだが…雷が怖いし…一緒に入らないか…?」
その言葉にアリスは少しの間考えてこう答えた。
アリス「ええ、いいわ。一緒に入りましょう。」
魔理沙はよく家に遊びには来るが、泊まることはなかったし、今日のように雨に降られることもなかったので、アリスと魔理沙がかつて一緒にお風呂に入ったことは無かった。魔理沙のような人からなら、このような提案が出てきてもおかしくないのだが、初めてであるだけに少し戸惑ったのである。
2人は脱衣所へと向かって行った。
【作者の一言】
第5話です。雷を怖がる設定気に入ってます。水も滴るいい女、魔理沙。(アリスにも触れてやれ)