自由奔放性活
「ごめんね、東堂くん。もう、終わりにしよう。」
放課後の静かな教室に響く、終わりを告げる音。俯く彼女と、情けなく泣きじゃくる俺を、夕日が温かく照らす。空気読めよ、夕日。
そして、彼女の最後の一言は、俺に大きな傷をのこしていくのであった。
「ガーターベルト?履くのは流石に引くわ。」
…初めての恋が、音を立てて砕け散った。
あの日から二年。俺、東堂卓は高校二年生となった。ただし、ガーターベルトを履くのを辞めることは無かった。
俺の太ももは俺の嫁によってしっかりと守られている。
誰にも邪魔されることの無い、ストレスフリー性癖ライフ。そんな毎日が、あのクソ女によってぶち壊されることになるなんて思わなかった。
教室の教卓の上で、パンツを頭に被り、少女は踊っていた。これがクソ女もとい、二志咲夜との出会いである。咲夜は俺だったら消えてしまいたいほど恥ずかしい状況にも関わらず、胸を反らして威張っていた。
「なんだお前は。 この咲夜様の御前で何も喋らないのは不敬に値するぞ、名を名乗りたまえ。」
「えっ…2年C組の東堂卓です。」
「うんうん!素直なのはいい事だぞ、少年。私は二志咲夜。トクセイブ部長と生徒会長を兼任している。」
「あれ?生徒会長って確か男の…」
俺がここまで言うと、咲夜の顔が急に青ざめた。
「やっべ、これ言っちゃダメなんだった。」
「もしかしてこの人馬鹿なの?」
「口が悪いぞ少年よ」
昨夜はバツが悪そうに咳払いをして、話を続けた。
「バレてしまっては仕方がない。君、トクセイブに入りたまえ!ほら、ここにサインを…!」
「うっわこの人力強っ! いたたたた!!前世ゴリラかなんかか!?」
…こうして俺は無理矢理トクセイブに入らせられた。
そう、これは悲劇の物語。
俺の日常が失われていく物語である。