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異世界へお引っ越し!  作者: にんにん
第一章 引っ越し挨拶
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冒険へ

 「とりあえず今後についてどうするかな?」


 白露はリビングでゴロゴロする露美を見つめながら考える。


 「ほがほが、ふみゃ、はが」


 「煎餅食べきってから喋れよ」


 露美は急いで煎餅を食べて


 「異世界なんですし、冒険して来たら良いじゃないですか? ゴブリン子分にしてるんでしょ?」


 「そうだが」


 そう俺は悩んでいた、ゴブリンを配下にしているとはいえ、鬱蒼とした森に入るのはためらってしまう。


 「ビビってるですか、先生チキンですもんね」


 「あのな、お前には見えないかもしれないが、ワイバーン見たんだぞ」


 「えっ、本当ですか! あのワイバーンを」


 「どのワイバーンかは知らんが、飛ぶ奴だよ、めちゃくちゃデカかったよ」


 「へぇー」


 それはいつも聞こえる鳴き声を確認しようとした時のことだった。白露は勇気を振り絞って鳴き声の聞こえる方に向かい見てしまう、巨大な影を


 「えっ!」


 そうして上を見るとそこに


 「わ、わ、わ、わ、ワイバーン!」


 白露は何度目かの尻餅をつく、彼が見つめる先にいるワイバーンは全長五メートルはゆうに越える大きさであった。

 そんな事を思い出しながら


 「あんなのが出る森に気軽に冒険なんて無理だろ」


 「えー、じゃあ引きこもるんですか?」


 「いやそれもな」


 白露は正直冒険をしたかった。だけど怖い気持ちも無くならない、それでどうしたもんかと思っていると


 「じゃあこれなんてどうですか?」


 露美がタブレット画面を見せてくる。


 「斧?」


 「そうですよ、斧なら非力な先生でも安全じゃないですか?」


 白露は少し悩みながら


 「いや流石にリーチが短すぎないか、銃とかあればな」


 「うーん、狩猟用のライフルとかって許可いりますからね、先生は今免許とか取りに行けませんし」


 「そうだよな、お前が行くのは?」


 「うーん、でもライフル使用するのに弾とかの事を聞かれたらされると、言い訳とかどうしますか?」


 「そうなのかな、ライフルとかの弾とかって管理厳しいのかな?」


 「分かんないけど、めんどくさい事は私ごめんです」


 「うーん、なら日本刀は、あれなら買えるだろ?」


 「いやいや先生の非力な力じゃ扱えませんよ、日本刀とかって結構重いんですよ」


 「いや振るぐらいなら出来るよ」


 「無理ですよ、だって先生ペンより重たい物持たないですし」


 「俺は乙女か!」


 そんな事を言い合いながら森へと冒険する為の準備をして行く、行くとは限らないが


 「とりあえず車は使えないか」


 目の前に広がる森林を眺め、車移動を諦める。


 「車はダメなんですか、バイクはどうなんです」


 「森を移動できるほどのバイクテクは無いよ」


 「そうですよね、先生は不器用ですから」


 「ぐっ、自分で言えばかっこいいのに人から言われるとなんてカッコ悪い言葉なんだ」


 結局移動は徒歩に落ち着く


 「一応サバイバルなんですから、それ用の装備買って来ましたよ」


 「おうサンキュー」


 露美はキャンプ用品やサバイバルナイフなどのアイテムを用意する。


 「武器は結局斧ですか?」


 「まあな、使って見たけどこれが一番使いやすかった」


 白露が選んだのは手斧である、片手で扱える事と、威力のバランスを考えて手斧にした。


 「しかしお前は俺を止めないんだな」


 「えっ? なんでです?」


 露美はいきなりの言葉に不思議そうな顔をする。


 「いや、大事な作家が無茶しようとしてるなら普通止めると思って」


 「えっ、先生程度でですか」


 「程度って、たぶんお前の会社で稼ぎ頭だと思うんだけど」


 「そうなんですか、まあいいんじゃ無いですか?」


 「あ、うん」


 露美は難しい事を考えない子である。


 『なんで出版社もこんな子雇ったのかな、しかも俺に付けるし』


 そんな事想いながら露美を見ると、煎餅をボリボリ無心で食べている。


 「はぁ!」


 「先生溜息ですか、ダメですよ溜息すると幸せ逃げますよ」


 「そうだな」


 こうして準備を終わらせ、門を出る、そこにゴブ郎が待ち構えていた。


 「白露様、お待ちしてました」


 「うんよろしくね」


 ゴブ郎に苗字ではなく名前である白露と呼ぶように頼んでいた。そして今回の冒険はゴブ郎に付き添いを頼む。


 「それじゃ、この森で安全地帯とか、野草の郡草地があれば案内出来るかな?」


 「安全地帯ならば我が村が、野草のほうは申し訳ございません」


 「そ、そうなんだ、じゃあとりあえずゴブ郎の村に行って見るかな?」


 「おお、歓迎いたしますよ白露様」


 「うん」


 こうして白露はゴブリンの村に向かう、そしてそこには


 「えっ、ここ?」


 「こ、これは!」


 そこで見たのは破壊され尽くしたゴブリンの村の跡であった。

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