スーパームーンの夜は天気が気になる(200文字小説)
「月を見に行こう」
彼に誘われた。
「今夜は曇りだから」
すると、彼は上着のポケットからチケットを二枚取り出した。
沖縄行きの航空券だった。
朝の天気予報では沖縄は晴れていると伝えていた。
「君の喜ぶ顔が見たいから」
でも、私は素直に喜べない…。
沖縄のビーチはスーパームーンを一目見ようというカップルで溢れていた。
私は顔を上げなかった。
「ほら、見てごらん」
彼に促され仕方なく顔を上げた。
そして、私は彼に噛み付いた。
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