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小さな玉手箱【二百文字小説集】  作者: つるめぐみ
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親の役目

 困った。妻に頼まれはしたものの、はじめての経験だ。どうしたらいいんだ。

 お願いだから暴れないでくれよ。湯の温度は大丈夫かな。

 こんなことなら勉強しておくんだった。

 親父はどうしていたのだろう。想像すると笑ってしまいそうだ。

 慎重に。けれどどこから手をつけていいのかわからない。

 いつまでも手を動かせない俺に見かねたのか、妻が浴場の扉を開けて言った。

「もう、困ったお父さんね。風邪ひいちゃうから代わって見ていて」

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