表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オダリスク・ハート  作者: 未央トサ
【序章】兄弟の【始まり】
5/25

同日午後、胎動

【ユイ】


「……そう。分かったわ」


 執行部長室の豪奢な椅子に浅く座るアカリ執行部長は、口に手を当て静かに頷いた。


 珍しく、彼女の表情が強張っている。

 普段のギラギラした目の奥が、報告の際僅(わず)かながら揺れたのを見逃さなかった。そこにいつもの、底から湧き上がるような圧迫感はない。


 この場に私とアカリ執行部長しかいない事に感謝する。こんな姿を敵対するグループに見られてしまっては問題だろう。

 やがて、肘置きを押し付けながら立ち上がり、口を開いた。


「あなたも、辛かったわね……。お兄さんーー」

「いえ、私はあなたの右腕であり、剣です。一切の私情は挟みません。ーーたとえ、兄が死んだとしても」


深く頭を垂れる。

 間違いじゃない。私にとっての全てはあの時からあなただけなのだ。


「それと、もう一件お耳に入れたい事が」


 首肯を確認してから、ゆっくりと彼女に近づく。

 失礼します、と小さく告げ耳打ちした。


 ーー彼女の瞳が、再びギラギラしたものへと変わる。


「迎えに行きましょうか。私達の仲間を」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ