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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第4章
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 第4章 14

 「なにを!……」


 仮面の男【劉閣】が激怒をし、龍炎国の都の城門に

攻めかかろうとすると


 「無駄だ! 龍炎国でも一番の鉄壁を誇るこの都が

二度もお主らに落とされはせぬ! これでも喰らえ!」


 堯閣帝はそう言うと仮面の男【劉閣】らに

弓矢を構えている兵に合図をし、彼らに矢の雨を降らせた。

 岩厳城で雷神丸に同じような目に合わされ、

大幅に軍勢が減ったのにまた、堯閣帝により、兵を多く失った。


 仮面の男【劉閣】は韓忌と残った兵らと共に

北方の地を護りに付いている餓典ら、配下の者らのもとに向かった。

 劉・小狼らが雷神丸らの活躍により、燗壬城と岩厳城の双方を

手に入れ、勢力を拡大した事に喜んでいた頃。


 そんな劉・小狼らのもとに堯閣帝が風の民の力を借り、

龍炎国の都を取り戻したことが知らされた。


 「これはまずいことになった……」


 郭瑜は堯閣帝が龍炎国の都を取り戻したことに不安を抱き、

険しい顔をした。

 そんな郭瑜の不安をよそに劉・小狼は


 「堯閣帝が龍炎国の都を取り戻したお祝いを

言いに行こう!」


 と言った。


 「小狼さま。それはお止しになった方が宜しいのでは……」


 郭瑜は堯閣帝に合いに行く事を拒否した。

 だが、劉・小狼は郭瑜が止めるのも聴かずに

関僚ら、手勢を引き連れ、龍炎国の都を仮面の男【劉閣】から

取り戻した堯閣帝に合いに行くことをした。


 しかし、嫌な予感がした郭瑜は色々と手を打つことにした。


 再び、死鏡との戦いで負傷した蒼琥を三埜宮の関から

安全な場所に移し、更に手に入れたばかりの三埜宮の関の

周辺の護りを雷神丸らに任せた。

 それでも不安だった郭瑜は自らも岩厳城に手勢と共に

護りに入った。

 そんな郭瑜の不安を的中させるべく、密かに劉・小狼らの領土に

攻め入ろうとする者らがあった。

 蒼琥が休養の為に送られたのは李桃の治める地と三埜宮の関の間の

星迦【せいか】という地だった。


 蒼琥が星迦の城で休養していると李桃の治める地で

劉・小狼との子【劉亮りゅうりょう】の子育てをやっている

水蓮が


 「大丈夫ですか?…… 夫の為にこんな怪我をして……」


 と優しく、蒼琥に声をかけた。


 「いいえ…… 私こそ、こんな手厚いことをしてもらって……」


 蒼琥が申し訳なさそうにそう言うと


 「お兄ちゃん。遊んで!……」


 何も知らない劉亮は休養している蒼琥に遊んでもらおうと飛び掛り、

抱き付いた。


 「坊や。ダメよ! お兄ちゃんは怪我をしているんだから……」


 怪我している蒼琥に抱きついた劉・小狼の息子・劉亮を

水蓮は慌てて、引き離そうとしたが


 「僕はお兄ちゃんと遊ぶんだ!」


 と言い、劉亮は更に蒼琥にしがみ付いた。

 自分に必死に抱き付く劉亮に蒼琥は


 「良いですよ! 躯は随分、良いですから……」


 と言い、水蓮と少し離れ、劉亮と遊び始めた。


 そんな蒼琥らの微笑ましい光景を怪しく見詰める

視線があった。

 劉亮と遊んでいて、その視線を感じ取った蒼琥は


 「すみません…… 用事があったことを忘れていて……」


 と急に水蓮にそう言い、彼女らを追い返そうとした。

 急な蒼琥の変化に何かあったと感じ取った水蓮は

 

 「わ、わかりました…… ご用ならしょうがないわね。

坊や。帰るわよ!」


 と言い、劉亮と帰ろうとしたが劉亮は


 「嫌だ! まだ、お兄ちゃんと遊ぶんだ!」


 と言い、蒼琥に抱きつき、駄々を捏ねた。


 「また、遊びにおいで!……」


 蒼琥が優しく劉亮にそう言うと納得をした劉亮は

渋々、頷いて、水蓮と共に李桃が治める自分らが住む

城へと戻っていた。


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