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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第1章
9/136

 9

 その黒いフードの老婆は目の前の青年の劉・小狼を

見詰めながら、


 「かつて、その勇者は仲間らと共に数々の敵と戦った……

 いくつとも困難を乗り越え、ついに全ての災いの元凶の闇を

異次元へと封印する事ができ、この世に平和と取り戻した……」


 と話した。


 「それって…… この世界に伝わるあの伝説のことですか?」


 劉・小狼が黒いフードの老婆が話した事を聞き返すと


 「さあなぁ…… わしも実際、見たことが

あるわけじゃないから…… でも……」


 黒いフードの老婆は意味深な言葉を残した。

 一方、その頃、沙隆の街は劉・小狼らのことで

大騒ぎになっていた。

 孔游が自分の居城・沙隆に戻ってきて、

街の中を役人らが走り回っているのを見て


 「何事じゃ?……」


 とお付の下僕らしき男にそう尋ねると下僕らしい男は

首を傾げながら


 「ちょっと、見てきます!……」


 と言うと孔游をその場に残し、一人、町の様子を

見に行った。

 孔游が下僕らしき男が帰ってくるのを待っていると

暫くすると下僕らしき男は血相を変えて、


 「た、大変です! 旦那様……」


 と言い、孔游のもとに戻ってきた。

 孔游は血相を変えて、戻ってきた下僕らしき男を見て、

大変なことが起こっていることを感じ取り、


 「大変な事とはなんじゃ?……」


 と言うと孔游が話し終わる前に下僕らしき男は


 「あの者らが…… この町に……」


 と言った。

 孔游は町の警護を任せている奉行を呼びつけ、

事の真相を訊いた。


 奉行の話によると……


 『劉・小狼らが町の豪商の息子に暴力を働いた』


 というものだった。

 奉行を返した後、困っている顔をしている孔游に

側近の家臣・濤轍とうてつ


 「どうするのですか? この者ら……」


 と言い、劉・小狼らの似顔絵が描かれた手配書を

孔游に差し出した。

 孔游は困った顔をしたまま、


 「彼らの言い分も聴いてみらんとわからん……

鄭重にわしのもとまで連れて来なさい……」


 と濤轍に命令した。

 孔游から命令を受けた濤轍とうてつは兵を連れ、

劉・小狼らを探しに行った。

 濤轍は瞬く間に沙隆の町の外の怪しげなテントの中にいる

劉・小狼らを見つけ、捕らえた。


 「孔游さま。彼らを連れて参りました!」


 濤轍は捕まえた劉・小狼らを沙隆の護る孔游のもとへと

連れて行った。


 「あ、貴方は……」


  劉・小狼と関遼は目の前に突然、現れた孔游に驚いた。

 それは劉・小狼と関遼が沙隆に来る途中で助けた

老人だった。

 びっくりしている劉・小狼と関遼の顔を一瞬、見ると


 「お前は何者だ!」


 と怖い顔で目の前の孔游の事を睨み付けた。


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