第4章 10
戦い慣れている雷神丸らは瞬く間に韓忌がいない
燗壬城を攻め落とした。
雷神丸が燗壬城を攻め落としたことは
劉・小狼らがいる三埜宮の関を攻めようとしていた
仮面の男【劉閣】と韓忌のもとと三埜宮の関にいる
劉・小狼らのもとににすぐに伝えられた。
「ど、どうしましょう?……」
燗壬城を攻め落とされ、動揺する韓忌に仮面の男【劉閣】は
劉・小狼がいる三埜宮の関の方をじっと見据えたまま、
「このまま、奴【劉・小狼】がいる三埜宮の関を攻める!
……燗壬城はその後だ!」
と言うと劉・小狼らがいる、三埜宮の関に向け、
軍勢の進みを速めた。
雷神丸らが燗壬城を攻め落としても彼らの方に向かわず、
自分の方に向かって来る仮面の男【劉閣】らの軍勢を
劉・小狼は見ながら
「やはり、こっちに来たかぁ……」
と呟くように言うと劉・小狼の傍で状況を見ていた郭瑜は
「手は打ってあります。が……」
と言ったが顔色を曇らせた。
郭瑜の予感は当たった。
仮面の男【劉閣】らの軍勢は劉・小狼らがいる
三埜宮の関の少し手前の拓けた平原の真ん中で立ち止まった。
「やはり、止まったなぁ…… で、どうする?」
郭瑜の後ろから龐悦が劉・小狼らのもとにやって来た。
その様子を燗壬城で見ていた雷神丸は
「あの野郎! 俺達を完全に 無視しやがって……」
と劉・小狼らがいる三埜宮の関の前で立ち止まった
仮面の男【劉閣】らの軍勢に怒りを爆発していると
雷神丸の傍にいて、同じように仮面の男【劉閣】らの
軍勢を見ながら
「なら、どうしますか?……」
風鬼は雷神丸にそう尋ねると
「決まっている! 全軍を持って、奴【劉閣】らを
討ちに行く!」
雷神丸はそう言った。
風鬼は驚いたように
「それは危なくはありませんか?」
と雷神丸にそう言ったが雷神丸の決心は変わらず、
全軍と共に燗壬城から雷神丸らは出陣した。
劉・小狼らが三埜宮の関の中の城で
仮面の男【劉閣】らの軍勢の対抗策を練っていると
「た、大変です!……」
三埜宮の関の城壁の見張り兵が慌てて、劉・小狼らのもとに
やって来た。
「な、何事ですか?……」
郭瑜が慌てて、やって来た見張り兵にそう尋ねると
見張り兵は息を切らしながら
「燗壬城の雷神丸殿の軍勢が仮面の男【劉閣】らの軍勢に
向かって動き出した模様です!」
と報告をした。
それを聴いた劉・小狼は顔色を変えると
「それはまずい! ここはそなたらに任せた!
雷神丸らを助ける為に私は出る!」
と言い、いた部屋から飛び出した。




