第4章 5
雷神丸の隠れ家の中に通された孫嘉に雷神丸は
「で、私に何をして欲しいのだ?」
と孫嘉らに訊いた。
孫嘉は少し恐縮した顔をしながら
「我らの頭【かしら】の小狼さまは
三埜宮の関の正面の燗壬城を攻めようと
思っているのですが……
もし良かったら、雷神丸殿も後ろから共に
燗壬城を攻めて頂きたくて……」
と燗壬城攻略の協力を求めた。
孫嘉がそんな話をしていると雷神丸の手下の
海賊の一人が
「お頭【かしら】…… お客人です……」
と言い、孫嘉らがいる所に入ってきた。
手下から客人が来た事を訊いた雷神丸は
「ちょっと、待ってもらえるかな……」
と言うと孫嘉の前から立ち去り、自分に会いに来た者が
待つ所に向かった。
雷神丸が自分に会いに来た客人がいる部屋に入ると
そこには燗壬城にいるはずの韓忌と死鏡だった。
雷神丸は目の前にいる、韓忌と死鏡を見た瞬間、
その者らが悪党だとわかったが何食わぬ顔をし、
「そなたらか?…… わしに会いに来た者らとは?」
というと堂々と韓忌らの前に腰掛けた。
韓忌は恐縮しながら
「実はこの度、ある所を攻めようと思っているのですが……
貴殿らもこの海から我らの援護をして欲しいのですが……
報酬も弾みます…… どうでしょう?」
と言い、雷神丸の顔色を窺った。
韓忌らの顔色を窺っていた雷神丸は
「どうしましょうかね? そなた等と同じような事を
申している者らがいるのだが……」
と言うとそれを訊いた死鏡は腰に携えていた小刀を抜き、
雷神丸の喉元に突き立てながら
「その者らは何者だ?」
と雷神丸に訊いた。
死鏡が雷神丸の喉元に小刀を突き立て、雷神丸と脅していると
「死鏡。その小刀を収めなさい!」
韓忌が死鏡の事を諌めた。
「な、何故ですか?」
死鏡が不満そうに韓忌の方に振り返るといつの間にか、
現れた雷神丸の配下の風鬼が死鏡と同じように
韓忌の喉元に刀を突き立てていた。
「お前、何をしているんだ!」
死鏡は身体を翻し、韓忌の喉元に刀を突き立てている
風鬼に襲いかかろうとすると
「おっと! 動かない事だ…… この人がどうなっても
知りませんよ!」
風鬼はそう言うと韓忌の喉元にさらに刀を押し入れた。
「もう良いです! 死鏡…… 帰りますよ!」
身の危険を感じた韓忌はそう言うと死鏡を連れ、
雷神丸のもとから去った。
韓忌らが立ち去った後、雷神丸は
「待たせたなぁ」
と言い、再び、孫嘉のもとに戻ってきた。
孫嘉は雷神丸のもとにやって来た者がなんとなく、
自分らの敵である韓忌らじゃないかと思い、急に不安になると
「私らもそろそろ……」
と劉・小狼らのもとに戻ろうとすると
「宜しいのか?…… このまま、我らの協力を
取り付けずに戻っても?」
雷神丸は孫嘉にそう訊いた。
「頭【かしら】の小狼さまらと相談した上で
また、やって来ます!」
孫嘉はそう言うと雷神丸のもとに立ち去った。




