第4章 1
「何をするの!私も一緒に戦うわ!」
風雅が蒼琥と共に目の前の敵・死鏡と戦おうとすると
蒼琥は目の前の敵・死鏡のことを気にしながら
「バカっ! これが罠である事を アイツ【劉・小狼】らに
誰が伝えるんだ! お前は必ず、アイツ【劉・小狼】らに
この事を伝えるんだ!」
と言うと風雅を三埜宮の関の外に追い出すと
三埜宮の関の門を硬く閉じた。
その頃……
劉・小狼らは三埜宮の関に偵察に行った蒼琥が帰ってくるのを
待ちながら、敵である虎王丸のことを牽制しつつ、三埜宮の関へと
近付いていっていた。
風雅を外に追いやった蒼琥は再び、目の前にいる死鏡に対して、
戦闘態勢を取ると
「さあ。かかって来い!」
と言うと死鏡は怖い顔をし、
「貴様だけは許さんぞ!」
と蒼琥に言うとその姿を数体に分身させると
蒼琥に襲い掛かった。
蒼琥が死鏡と戦っている頃……
風雅は蒼琥を助けるべく、劉・小狼らのもとに急いだ。
あまりにも帰りが遅い蒼琥が気になり、劉・小狼は
郭瑜らに命(令)し、三埜宮の関に向かって、偵察を放った。
張爛が偵察で劉・小狼の陣と三埜宮の関との間に
差し掛かった時に三埜宮の関のことを報せに来た
風雅と出遭った。
突然、三埜宮の関の方から風雅が現れた事に
張爛は驚きながら、
「どうして、お前がここに?……」
と言うと風雅は半分、泣きながら
「お願い!まだ、三埜宮の関にアイツ【蒼琥】が……」
と言い、張爛に蒼琥が三埜宮の関内で敵・死鏡に
襲われている事を告げ、蒼琥を助けるように頼んだ。
張爛はすぐさま、供の兵士に劉・小狼らの報告に
向かわせると風雅を連れ、三埜宮の関に向かおうとすると
なにやら、最新の武器を手に携え、張爛の後ろから現れた
孫嘉は
「待ってください! 私も一緒に連れて行って下さい!」
と言った。
少し考えた張爛はとりあえず、孫嘉も一緒に三埜宮の関に
連れて行くことにした。
張爛らが三埜宮の関に着くと城門は硬く閉ざされていた。
三埜宮の関の中で戦っていた死鏡は外に張爛らが
やって来たのに気付くと
「そろそろ、終わりにしようか!」
と言うと一気に蒼琥に攻撃を仕掛けた。
中からより激しい戦いの音に風雅は
「は、早くして!アイツ【蒼琥】が死んじゃうわ!」
と張爛に泣き付いた。
「ちょ、ちょっと待っていろ!」
持ち前の怪力を使い、硬く閉ざされている三埜宮の関の
城門をこじ開けようとした。
孫嘉は新しい武器を握り締め、硬く閉ざされている
三埜宮の関の城門を見上げながら
「張爛殿。 私をあそこまで投げ飛ばして
くれませんか?……」
と言い、三埜宮の関の城門の上を指差した。
『え?……』
張爛は孫嘉が指差した三埜宮の関の城門の上を
見上げながら
「良いが…… あんな所まで孫嘉殿を投げ飛ばすと
孫嘉殿の方が大怪我をするぞ!」
と言うと決心を固めた顔で張爛の事を見詰めながら、
孫嘉は
「私の事は良いですから…… 早くしないと中の者が……」
と三埜宮の関の中で死鏡と戦っている蒼琥のことを
気にした。




