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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第3章
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 第3章 26

 蒼琥は自分の発言で劉・小狼らの出陣が止まった事に

責任を感じ、劉・小狼らに頼み込み、自分が三埜宮の関の

偵察に向かうことにした。

 蒼琥が偵察の準備をし、三埜宮の関に出発しようとすると


 「私も連れて行って!」


 と身軽な格好をした風雅が現れた。

 突然、自分の前に現れた風雅に蒼琥は驚きながら


 「だ、ダメだ! 危険すぎる!」


 と言い、風雅のことを怒鳴りつけた。


 「良いもん! 貴方がダメだと言っても

私は付いて行くから……」


 風雅はそう言い、自分で三埜宮の関に出発した。

 蒼琥はしょうがなく、風雅の後を追いかけ、

三埜宮の関へと向かった。

 遥か、遠くに趙燕と虎王丸の攻防を聴きながら


 「ねぇ。少し可笑しくない? 私らが敵がいる三埜宮の関に

近付いているのに見張りの兵も誰もいないのは……」


 と風雅は後ろから追いかけてくる蒼琥にそう言った。

 蒼琥は辺りを見廻しながら


 「そうか…… 奴【劉・小狼】らを誘い込むために

三埜宮の関にいるんじゃないのか?」


 と言ったが明らかに様子が少し可笑しかった。

 蒼琥と風雅が敵の虎王丸が護っていた三埜宮の関の城門の前まで

やって来たが三埜宮の関の周辺や三埜宮の関の中に

一切、敵の気配がなかった。


 「何かが可笑しいぞ!……」


 蒼琥と風雅が慌てて、三埜宮の関の中へと入るが

やはり、三埜宮の関の中には敵の姿がなかった。

 風雅は静まり返っている三埜宮の関の中を見廻しながら


 「これなら、彼【劉・小狼】らがここを攻めても問題なく、

占領できるわね!」


 と言うとそんな風雅らを闇の中から見詰める視線があった。

 その視線に蒼琥はいち早く、感じ取って、

間合いを計っていた。

 静まり返った三埜宮の関の中で風雅と蒼琥が

辺りを見廻していると風雅と蒼琥の様子を伺っていた

視線が突然、風雅に向かって襲い掛かってきた。

 だが、一瞬にして、風雅の姿は風雅を襲い掛かってきた

黒ずくめの怪しき忍者らしき男【死鏡しきょう】の前から

つむじ風と共に消え去った。

 しかし、死鏡も風雅が消え去った先がわかっているのか、

すぐにその方向に手裏剣らしきモノを投げつけた。

 寸前の所で風雅のことを助けた蒼琥は


 「危ない!」


 と死鏡が投げつけた手裏剣らしきモノを

持っていた剣で払い除けた。


 「な、何事?」


 風雅は慌てて、蒼琥から離れ、自分も持っている

剣を構えると


 「お前はここから去れ!」


 蒼琥は自分らのことを怪しい目つきで狙っている

死鏡を警戒しながら風雅にそう言い、

この場から風雅を逃がそうとした。


 「逃がしませんよ!……」


 死鏡はそう言うと、再び、持っていた手裏剣のようモノを

風雅らに向け、投げつけた。

 蒼琥はすばやく動き、死鏡が投げつけた手裏剣のようなモノを

持っていた剣で払い落とすと


 「お前がいたら、足でまといなんだよ!」


 と強い口調で風雅のことを怒鳴りつけた。


 「そんなことを言わなくても……」


 風雅が自分も戦いに参加しようとすると


 「だから、邪魔なんだよ!」


 蒼琥はそう言い、死鏡の攻撃を交わしながら、

風雅が気付かないうちに三埜宮の関の外へと

風雅を追いやっていった。


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