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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第3章
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 第3章 16

 劉儀は劉・小狼が陣に帰った後で、

李桃の元に向かった。

 劉儀と二人きりで対峙した李桃は


 「わしに何のようだ?」


 と自分の元にやって来た劉儀にそう尋ねた。

 劉儀はじっと李桃のことを見据えたまま、


 「ここいらの民の為に劉・小狼殿に協力をして

もらえぬだろうか?……」


 と李桃に劉・小狼らの仲間になるように伝えた。


 「なんだ。そんなことを私に言いにきたのか……

はははぁ。お主が説得に来ようが私の決心は変わらぬ!……

引き取られよ!」


 李桃は顔色を変えず、やって来た劉儀を追い返そうとすると

劉儀と李桃のいる外の方が急に騒がしくなった。

 突然、外が騒がしい事に李桃が劉儀と一緒にいる部屋から出て、

外の様子を見るとそこに李桃の配下の者らを押し倒していると

誰も仲間を連れていない劉・小狼の姿があった。


 「一人で我の軍勢を壊滅させるつもりか!……」


 李桃が突然、自分の陣内に一人で現れた劉・小狼に

びっくりしているとそんな李桃の横に並び立ち、

李桃の陣に現れた劉・小狼を見ながら


 「やはり、お一人で現れましたか!…… 

あの方はこの陣を潰そうとやってきたのではありませんよ……

 ただ、貴方と話がしたいだけですよ!」


 と言い、優しい顔で劉・小狼のことを見詰めた。

 李桃の前に現れた劉・小狼は一瞬、李桃を怖い顔で睨み付けると


 「お騒がせしました!……  私が劉・小狼と言います……

 是非とも李桃殿とお話がしたくて、こんな所までお邪魔した!」


 と言い、いつもの優しい劉・小狼の顔に戻った。

 あまりの劉・小狼の威圧感に李桃は一瞬、たじろいだ。

 そんな李桃を後目に劉儀は李桃の横で劉・小狼に平伏しながら


 「よくぞ、お越しを……」


 と劉・小狼に言った。

 李桃が突然、現れた劉・小狼に驚いていると突然、李桃の兵が


 「李桃さま! 大変です!」


 と李桃がいる所に駆け込んできた。

 自分の兵が駆け込んできたことに驚いた李桃はその兵に


 「ど、どうした?……」


 というと兵は息を切らしながら


 「た、大変です…… 劉・小狼軍が我が領地の村に出没し、

村人に……」


 というと先走った李桃はその兵に


 「村人が襲われているのか?……」


 と訊いたがその兵は首を横に振った。


 「ど、どういうことだ!」


 李桃は自分が統括する領地の民が自分の前に

突然、現れた劉・小狼の軍に襲われたと勘違いして、

劉・小狼に襲い掛かろうとした。

 だが、李桃の元に駆け込んで来た李桃の兵は


 「李桃さま。待ってください……  その者らの軍勢は

我らの領地に襲ってきたのではありません……

 貧困と飢餓に苦しんでいる村人らに自分らの食料などを

分け与えているみたいなのです!」


 と李桃にそう告げた。

 劉・小狼は至って、冷静に


 「当然だ! 我らの争いに民らには何の関わりもないことだ!」


 と李桃に言い放った。

 李桃は改めて、劉・小狼の度量の大きさに感服した。 


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