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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第3章
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 第3章 13

 張爛はあったばかりの劉儀がいきなり、自分らのリーダーである

劉・小狼に会いたいと言ったことに少し怪しんだが

命を助けてもらった劉儀の頼みに警戒しながらも、

劉・小狼のもとに連れて行った。

 自分らのもとに戻ってきた張爛を見て、関遼は


 「何をやっているんだ! 敵の罠だったら、どうするんだ!」


 と張爛を怒鳴り付けると張爛の横にいる

劉儀を見つけ、言葉を詰まらせた。

 郭瑜も張爛の横にいる、修行僧のような男・劉儀を確認すると


 「張爛殿。そちらの方は?……」


 と張爛に劉儀のことを尋ねた。


 「こ、この方は……」


 張爛が劉儀のことを説明をしようとすると

劉儀のことを確認した劉・小狼は


 「何も無いが客人にお茶でも振舞いなさい!」


 と劉儀のお茶を振舞うように命じた。

 劉・小狼はお茶を張爛が連れて来た劉儀と

飲み交わしながら


 「さて。私に何の用でしょうか? 旅の僧」


 と唐突に劉儀に会いに来た理由を尋ねた。

 劉儀は飲み残ったお茶を啜りながら


 「別に用はない! ただ、わしが助けた者から

微かに感じ取れた王気おうきに少し引かれてなぁ……

 そなた達こそ、こんな所になに用じゃ?」


 と逆に劉・小狼に尋ねた。

 劉・小狼は刻神の印と堯閣帝からの手紙を懐から出し、

劉儀の前に出すと


 「我らは堯閣帝の救援の要請を受け、

少数ながら、堯閣帝のもとに向かっているところです」


 と劉儀に自分らの目的を素直に明かした。

 それを聞いた劉儀は顔色を途端に曇らせた。

 劉儀は劉・小狼が差し出した刻神の印と

堯閣帝の手紙を見詰めながら


 「う~ん…… 実に奇妙なモノをお持ちになっている……

 お持ちになっているのは相反するモノですよ」


 と劉・小狼に告げた。

 劉・小狼は自分が差し出した刻神の印と

堯閣帝の手紙を見ながら


 「それはどういうことでしょう?」


 というと劉儀は表情を曇らせたまま、


 「それは龍炎国の王たる証とその王をこの地から

追い出した者の親書! 貴方さまはこの龍炎国の

王たる証を携え、その王をこの地から追い出した者を

助けに行くのですか?……」


 と劉・小狼にそう言った。


 「……」


 劉・小狼は言葉を詰まらせ、手にしている刻神の印と

堯閣帝の手紙を見詰めた。

 差し出した刻神の印と堯閣帝の手紙を見て、

困った顔をしている劉・小狼に劉儀は


 「どちらを選ぼうともお主には 付き従ってくれる

仲間らがいる。 ただし、その選択を誤れば、

その仲間らは失うことになるぞ……

 私は暫く、この近くの荒寺にいる。進む道が決まったら、

わしを訪ねて来るがよい」


 と言うと立ち去った。

 劉儀が帰った後、郭瑜は劉・小狼のもとにやって来て、

沈んでいる劉・小狼を見て、


 「小狼さま。どうなされましたか?」


 劉・小狼にそう尋ねた。


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