第3章 9
舜炎帝の居城・海月宴から飛竜で飛び立った孫嘉の前に
突然、風雅が現れた。
風雅の前に降り立った孫嘉は突然、現れた風雅に
「どうなさったのですか?……」
と訊くと風雅は
「すみませんが…… わたしを龍炎国の天彌まで
連れて行ってもらえませんか? 劉・小狼さまには
許可を貰っていますから……」
と言うと龍炎国の都の天彌まで連れて行ってもらうように
孫嘉に頼み込んだ。
劉・小狼らに真意を確かめる時間がなく、
ここに風雅を置いてゆくことも出来ない孫嘉はこのまま、
風雅を連れて行くことにし、再び、飛竜に乗ると
一路、龍炎国の都・天彌に向かった。
1日ほどすると孫嘉と風雅が乗る飛竜は
龍炎国の都・天彌の近くまで来ていた。
『良し! もう少しだ!』
都・天彌に降りようと孫嘉が飛竜をゆっくりと
降下させたその時……
近くの城から孫嘉と風雅が乗る飛竜が
龍炎国の都・天彌に降りようとする姿を見た
仮面の男【劉閣】に寝返った堯閣帝の家臣だった
戯獅はその孫嘉らを捕らえようと
空を翔る生物・麒麟を向かわせた。
『やばい! 気付かれた!』
孫嘉も自分に向かって、空を駆けてくる麒麟に気付き、
飛竜の速度を上げるがたちまち、孫嘉らは周りを麒麟に
取り囲まれた。
『もうダメだ!』
孫嘉がそう諦めかけたその時、孫嘉らに目掛けて、
一陣の風が吹き抜けた。
孫嘉らの前に現れたのは舜炎帝の王騎に乗った牙狛侯だった。
牙狛侯は巧みに王騎を操り、次々と孫嘉らに
襲い掛かろうとしている麒麟を打ち落としていった。
数機、麒麟が撃ち落されると他の麒麟らは
一旦、孫嘉らから離れた。
孫嘉らの周りから麒麟が離れたのを見た牙狛侯は
孫嘉らに近付き、
「大丈夫か? 怪我はなかったか?……」
と孫嘉らに話しかけてきた。
「ど、どうして? 貴方がここに?……」
孫嘉が突然、現れた牙狛侯にびっくりしていると
「わたしは舜炎帝の命を受け、密かに貴方らの護衛に
当たっていたのですよ!」
と言っている間に再び、孫嘉らに麒麟らが迫っていた。
孫嘉と牙狛侯らに麒麟らが襲いかかろうとしたその時……
突然、孫嘉と牙狛侯らを護るように孫嘉らの周りに
球体の結界【バリア】が張られ、麒麟らの攻撃を払い除けた。
「牙狛侯! 油断は禁物ですよ!」
そんな声と共に孫嘉と牙狛侯の前に現れたのは
舜炎帝の4侯の一人の黒武侯だった。
「す、すまん!……」
牙狛侯はそう言うと後から来た黒武侯と共に
孫嘉らに襲い掛かってくる残りの麒麟らを全て打ち払うと
孫嘉らと共に龍炎国の都・天彌に降り立った。
「良く参られた!」
堯閣帝は都に降り立った孫嘉らを温かく向かい入れた。




