第2章 24
智龍侯は私用で領地へと戻っていたが他の3侯は
まだ舜炎帝の海月宴にいた。
4侯の一人・牙狛侯は劉・小狼が舜炎帝へに宛てた
我箕を去る事に対して、詫びる手紙に
「けしからん! わしが成敗してくれる!」
大変憤慨し、劉・小狼を討つべく、自分の領地へと戻り、
劉・小狼を討つ準備を整え始めた。
牙狛侯が自分の領地で劉・小狼の討つ準備を整えている頃。
智龍侯のもとにも劉・小狼からの我箕を去ることを
詫びる手紙が届いた。
智龍侯が劉・小狼からのその手紙を詠もうとすると
「ち、智龍さま。 大変です!……」
と堯閣帝のもとから急いで戻ってきた燦牙が
智龍侯の前に現れた。
燦牙の慌てた顔を見て、
「どうした? 燦牙。そんなに慌てて……」
と智龍侯は燦牙に訊いた。
燦牙は乱れた呼吸を深呼吸をし、整えると
「大変です! 劉・小狼殿がこの水霞曉を去り、
龍炎国の堯閣帝を助けに向かうようです……」
と智龍侯に告げた。
智龍侯は劉・小狼から送られてきた、まだ読んでない
手紙を見ながら
「どうやら、そのようだなぁ……」
全てを察したように燦牙にそう言った。
その後、すぐに智龍侯は燦牙に
「他の3侯の動きが気になる。 帰ってすぐですまないが
3侯の動きを探り、劉・小狼殿にその動きを伝えてくれぬか?」
と劉・小狼に他の3侯の動きを伝えるように言った。
劉・小狼が龍炎国の堯閣帝の救援の準備を
着実に進めている頃……
仮面の男【劉閣】は堯閣帝がいる龍炎国の都・天殊の手前の
燈険【ひけん】でその動きを止めた。
仮面の男【劉閣】は堯閣帝がいる龍炎国の都・天殊を攻めるが
決して、天殊を攻め落とす事はしなかった。
そんな行動をする仮面の男【劉閣】に韓忌は
「どうして、龍炎国の都・天殊を攻め落とさないのですか?
今の我らの戦力ではあんな城は簡単に落とせるでしょう?」
と仮面の男【劉閣】に言った。
仮面の男【劉閣】はもうボロボロな龍炎国の
都・天殊の城門を見ながら
「早く、あの城を落としたら、奴【劉・小狼】らが
来なくなるではないか…… ここでこうしていたら、
奴【劉・小狼】らが来るじゃないか……」
と韓忌にそう言った。
ついに全ての準備が整い、劉・小狼らは
我箕を旅立つ日になった。
「さあ。行こう!」
劉・小狼がそう言い、郭瑜らと共に我箕を
旅立とうとすると
「我々も一緒に連れて行ってください!」
と劉・小狼らの前に我箕の民が立ち塞がった。
「退くのだ!」
関遼と張爛が劉・小狼の前に歩み出て、
我箕の民を自分らの前から退かせようとした。
だが、我箕の民は劉・小狼らの前から退く事はなく、
劉・小狼らの前に平伏せ、
「お願いです! 我らも一緒に連れて行ってください!」
と懇願した。




