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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第2章
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 第2章 18

 庖悦に言われるまですっかり、郭瑜のことを忘れていた

劉・小狼は慌てて、趙燕と共に琶填の郭瑜の家に向かったが

家に郭瑜の姿はなかった。

 がっかりして、落ち込む劉・小狼の姿を見て、趙燕は


 「小狼さま。どうしましょう?……」


 と尋ねると劉・小狼はがっかりした顔で郭瑜の家を見ながら


 「いないなら、しょうがないなぁ…… 村に泊めてもらい、

郭瑜殿が帰ってくるのを待とう!」


 と言い、趙燕と共に琶填の村に戻ろうとしたその時……

 琶填の村へと通ずる竹林から辺りの景色を見ながら、

フラフラと郭瑜が戻ってきた。

 劉・小狼は慌てて、郭瑜に駆け寄り、


 「郭瑜殿ですか?」


 と話しかけたが郭瑜は一瞬、劉・小狼のことを見ると


 「今日はもう疲れました。 また後日……」


 足早に家の中へと入っていった。

 それ以上、どうする事もできない劉・小狼は趙燕と共に

琶填の村へ元気なく、帰っていった。

 郭瑜はそんな劉・小狼の後ろ姿を家の中から見詰めていた。

 劉・小狼が趙燕と共に琶填の村に戻ってくると

沙隆の祭りから商団と共に戻ってきた孫嘉と出遭った。


 「あれ?小狼さま。 こんな所でどうしましたか?」


 孫嘉が劉・小狼にそう尋ねると劉・小狼は哀しげな顔をしながら


 「ちょっと、仲間にしたい者がいるんだが……」


 と言うと劉・小狼の表情を見て、察した孫嘉は


 「それはどなたですか?」


 劉・小狼に仲間にしたい者の名前を聞くと劉・小狼は郭瑜が

住んでいる竹林を指差しながら


 「あの竹林の中に住んでいる郭瑜という者なのですが……」


 と言うと


 『えっ? 郭瑜……』


 孫嘉は郭瑜の名前を聴いた途端、顔を強張らせた。

 趙燕は孫嘉の顔色が変わったのを見て、


 「ど、どうしたのですか? 郭瑜殿とお知り合いですか?」


 郭瑜のことを尋ねたが


 「いや…… 別に……」


 孫嘉は咄嗟に誤魔化したが劉・小狼も孫嘉の様子が

可笑しいのにすぐに気付いた。

 劉・小狼は孫嘉の様子が可笑しいのを気にしながらも

孫嘉に


 「孫嘉殿。 是非とも、郭瑜殿を私の仲間にしたいのですが

何か、良い方法はないでしょうか?」


 と訊いたが孫嘉は劉・小狼から顔を背けながら


 「恐らく、無理ではないでしょうか…… 聞く限りでは

随分、気まぐれの者のようですから……」


 と劉・小狼にそう答えた。

 劉・小狼と共に琶填の村に戻った孫嘉は劉・小狼らが寝静まると

一人、郭瑜が住んでいる村外れの竹林の中の郭瑜の家に赴いた。

 郭瑜は孫嘉の顔を見るなり、


 「これは珍しい客だ!……」


 と言い、孫嘉を自分の家の中に招き入れた。

 孫嘉は椅子に腰掛けると


 「お前がこんな所に隠れ住んでいるとは知らなかった……

何故、あの方【劉・小狼】に仕えぬ?」


 郭瑜に何故、劉・小狼に仕えないのかを尋ねると

郭瑜は孫嘉にお茶を差し出し、自分の椅子に腰掛けながら


 「お前こそ、何故、あの方【劉・小狼】に仕える?

東の大国の時と同様にあの方【劉・小狼】も……」


 と言いかけ、押し黙った。

 どうやら、孫嘉と郭瑜は知り合いのようだった。


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