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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第2章
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 第2章 14

 刻神は苦しそうに少し困った顔をしながら、


 「こ、困ったの…… 私もあまり永くはない。

一刻も早く、私の力を受け継ぐ者を見つけないと……」


 自分の前に現れた風雅に聴こえるようにそう呟いた。

 風雅も少し心配そうな顔で苦しそうにしている

刻神を見詰めながら


 「沙隆の者に聞いたのですが…… 我箕には刻神さまの

望む者がいるかもしれません……」


 と言った。


 「風雅。 すまぬが我箕へと向かってくれるか?」


 刻神がそう言うと風雅は頷くと刻神の前から

その姿を消し去った。

 劉・小狼が趙燕と共に沙隆の街へと着くと

ちょうど、孔游に黒いフードを被った男・風雅のことを

報告し終わった孫嘉が劉・小狼と趙燕の前に現れた。


 「な、何があった?……」


 劉・小狼が孫嘉にそう尋ねると孫嘉は少し落ち込んだ顔をし、


 「す、すみません…… 怪しき男を見かけ、

この街の外れまで追詰めたのですが……

取り逃がしてしまいました。」


 劉・小狼に沙隆の街中で見かけた黒いフードの男・風雅のことを

話した。

 だが、その黒いフードの男・風雅の手掛かりが何もない

劉・小狼はとりあえず、孫嘉の案内で沙隆の街外れの

ゴミ置き場へと向かった。

 劉・小狼が孫嘉の案内で沙隆の街外れにあるゴミ置き場に

やって来るとちょうど、そのゴミの中から食べ物を探しに

庖悦が現れた。

 劉・小狼はそんなゴミの中から現れた庖悦を見て、


 『奴【庖悦】は只者じゃない!』


 と感じ、庖悦に敬意を表しながら、庖悦に近付いた。

 庖悦はまた自分の前に現れた孫嘉に不機嫌そうな顔をしたが

自分の方へと近付いてくる気品があり風格のある劉・小狼を見ると

すぐにその場に片膝を付き、座ると劉・小狼に対し、

深々とお辞儀をした。


 「お顔を上げてください……」


 劉・小狼はそう言うと庖悦の手を取り、庖悦を立たせた。

 庖悦は劉・小狼に恐縮していると


 「わたしとお食事でも?……」


 劉・小狼は乞食のような庖悦を食事に誘った。

 劉・小狼は庖悦と食事を取りながら色々な話を聞いた。


 『こんな博識な人なら、私の仲間にほしいなぁ……』


 庖悦を昔からの仲間のように感じた劉・小狼は庖悦に


 「わ、私の仲間になってくれませんか?」


 自分の仲間に誘った。

 庖悦は劉・小狼の顔を見詰めながら


 「それだけはご勘弁を……」


 劉・小狼の申し出を断ると劉・小狼は

少しがっかりした顔をしていた。

 庖悦はそんな劉・小狼を見ながら


 「すみません…… 私は貴方に今は相応しくありません

 私より貴方に相応しいのはこの沙隆と我箕の間にある

琶填はてんの村の外れにいると思います!

 お尋ねになっては?……」


 と言った。


 「そ、そうですか?……」


 劉・小狼は庖悦のことが諦め切れなかったが

とりあえず、庖悦が教えてもらった琶填の村に

向かうことにした。


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