表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第2章
38/136

 第2章 12

 劉・小狼は突然、沙隆の街に現れた孫嘉に驚きながら、


 「どうして、君がここに?……」


 というと孫嘉は沙隆の街の人達が祭りの準備をしているのを

見ながら


 「沙隆で祭りがあると聞いたので……」


 と言った。

 劉・小狼は孫嘉が率いた商団と荷物を見ながら、


 「そうか…… 我らは我箕に帰るが気を付けるんだぞ!

変な者が出没しているから……」


 と言うと孫嘉は少し顔を曇らせながら


 「仮面の奴【劉閣】ですか?」


 と劉・小狼に尋ねた。

 劉・小狼は驚いた顔をしながら、


 「そ、そうだ…… 奴【劉閣】は変な術を使うから

気を付けるんだぞ!」


 と孫嘉に忠告すると張爛と共に我箕へと戻った。

 劉・小狼が沙隆の門で出るのと入れ替わりに

黒いフードを被った怪しき者が沙隆の門を潜り、

沙隆の街へと入った。

 黒いフードの怪しき者は沙隆の街に入ると

祭りの準備でにぎあう沙隆の街を見回しながら


 「ここが沙隆か……」


 と呟くと沙隆の街の雑踏の中へと消えて行った。

 孔游の許可を貰い、沙隆の中央の辺りで孫嘉は

雑貨の店を出しながら、沙隆の街を行き交う人々らを

観察していた。

 そんな時、劉・小狼と入れ違いに沙隆の街にやって来た

黒いフードの怪しき者が孫嘉の開いている店の前を

何かを探すように現れた。


 『アイツか? 小狼殿が言っていたのは?……』


 孫嘉はそう思いながら自分の前を現れた黒いフードの

怪しき者を凝視していた。


 『アイツは……』


 孫嘉は何かを探し、自分の開いている商店の前を

歩いている黒いフードを被った男をじっと見詰めながら、

自分の配下の者にこの事を我箕の劉・小狼と沙隆の城にいる

孔游に報せた。

 孫嘉は店を残った配下の者らに任すとその黒いフードを

被った男に気付かれないようにその黒いフードを

被った男の後を追いかけた。

 その黒いフードを被った男も暫くすると自分の後を

こそこそと付けて来る孫嘉のことに気付いた。

 だが、黒いフードを被った男はまるで孫嘉のことを

気付かないようにそのまま、歩き続けた。

 孫嘉が黒いフードを被った怪しげな男をこっそりと

街の外れまでつけると後ろから付いて来る孫嘉の方に

振り返ることなく、その場からその姿をパッと消し去った。

 孫嘉はその黒いフードを被った怪しげな男が

消え去った所まで駆け寄り、辺りをキョロキョロと見回し、


 「取り逃がしたか?……」


 と呟き、少しがっかりした顔をした。

 だが、その時…… 街外れのゴミの中から物音が聞こえた。


 『だ、誰だ?……』


 孫嘉は懐から短剣を取り出し、黒いフードを

被った怪しげな男が隠れているゴミの方へと

投げようとしたその時……

 黒いフードを被った怪しげな男と同じように

ゴミの中に隠れていた男【庖悦】はその黒いフードを

被った男の頭を叩くとゴミの中から外へと出て行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ