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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第1章
24/136

 24

 劉・小狼は今に飛び掛ろうとしている張爛を宥めていると


 「小狼さま!……」


 水蓮は劉・小狼に抱き付き、劉・小狼らと趙燕の間に

立ち込めている嫌な雰囲気を払拭した。

 趙燕はそんな幸せそうな水蓮の姿を見ると

馬の手綱を引っ張り、城門の方へと哀しげに

歩き出そうとした。

 劉・小狼は自分に抱き付いている水蓮を退かすと


 「待ってくれ!」


 と趙燕を呼び止めた。

 劉・小狼は立ち止まった趙燕の前に歩み出ると


 「もし、行く当てがないのであるなら、ここで我箕の民の為に

働いてもらえぬか?……」


 と趙燕に言った。

 そんな劉・小狼の一言に関遼と張爛は驚いた顔で

劉・小狼の事を見ていた。


 「兄者! そ、それは……」


 関遼と張爛は劉・小狼が趙燕を仲間にしようとしていることを

止めようとしたが劉・小狼はそんな関遼と張爛のことを制し、


 「今更、外に出て行っても奴【蒙虎幻】らに

命を奪われるだけじゃないのか?

 それより、ここでわたし…… いや、我箕の民の為に

そなたの力をわたしに貸してはくれぬか?」


 と趙燕に言うと趙燕は泪を流しながら、

劉・小狼の前に片膝を立てて、座ると

 

 「ありがたく、お受けします! これより、

この趙燕、あなた様の為に力を惜しまず、お仕えいたします!」


 劉・小狼に対し、深々と一礼をすると

劉・小狼に忠誠を誓った。

 蒙虎幻は趙燕が自分の事を裏切った事を知り、

趙燕がいる我箕へ総攻撃をかけようとした。

 劉・小狼らと共に我箕の城門の上に上がり、押し寄せて来る

蒙虎幻の軍勢を見ながら、趙燕は


 「小狼さま! 私に妙案があります!」


 と劉・小狼にそう言い、自分の思い付いた策を話した。

 趙燕の策を訊いた劉・小狼は関遼と張爛が止めるのも訊かず、


 「勝算はあるのか?」


 と趙燕に尋ね、趙燕が頷くと


 「じゃあ、やってみろ!」


 と言い、趙燕に全権を委ねた。

 そんな趙燕に反発するかのように張爛は

劉・小狼らに外方そっぽを向き、


 「俺はそいつ(趙燕)の策なんかには従わないぞ!」


 と言い、駄々を捏ねた。

 蒙虎幻は軍勢を3つに分け、まずは我箕の左右の門に

襲い掛かった。

 そのことを読んでいた趙燕は


 「今です!……」


 隣にいる劉・小狼に言った。

 それを訊いた劉・小狼は頷くと腰に携えている剣を抜き、


 「は、放てぇ!」


 と言い、大きく上から下へと剣を振り下ろした。

 その劉・小狼の声と共に我箕の左右の城門の上に

隠れていた弓兵は一気に現れると我箕の左右の門へと

襲い掛かる蒙虎幻の兵に向かって、矢を浴びせた。

 急に矢の雨を喰らった我箕の左右の門へと

襲い掛かろうとしていた蒙虎幻の兵は

たちまち、大混乱に陥った。

 それを見た本隊の蒙虎幻の兵も驚き、途端にその動きを止めた。


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