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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第1章
21/136

 21

 趙燕が食事を終えると劉・小狼が命じた通りに

趙燕は我箕から解放された。


 『本当にわしをこのまま、帰すつもりか?

あの方(劉・小狼)は?……』


 趙燕は我箕から追っ手が来ない事に不思議がり、

我箕を見詰めていると


 「お待ちくだされ!~」


 我箕から関遼が馬を飛ばし、趙燕のもとにやって来た。


 『やはり、わしを捕まえに来たか?……』


 趙燕は現れた関遼に少しがっかりしていると

関遼は持ってきた一本の立派な槍を趙燕に差し出すと


 「ご愛用の槍は戦いで壊れてしまったそうですから……

 これを頭【かしら】(劉・小狼)はお持ちになって

くださいそうです!」


 と言った。

 趙燕はその立派な槍を手に取り、


 「これをわたしに?……」


 と言い、ますます、劉・小狼の真意がわからなくなった。


 趙燕がそんなことになっている頃……


 命からがら、自分のアジトに戻ってきた蒙虎幻は

我箕の兵に大敗したに激怒していた。

 蒙虎幻はアジトにまだ帰っていない趙燕のことを


 「まだ、客人は戻っておらぬのか?」


 と配下の者らに怒鳴り散らしていた。

 蒙虎幻の配下の者らは蒙虎幻の声に怯えながら


 「まだ…… 客人【趙燕】はお戻りではありません」


 と答えた。


 「何をやっているのだ!」


 激怒している蒙虎幻は遥か、遠くの我箕の方を

見詰めていた。


 その頃、趙燕はどうして良いのかわからず、彷徨っていた。

 趙燕がこれからどうして良いのかわからず、

ただただ、彷徨っていると困った顔をし、

辺りをキョロキョロと見回している水蓮と出逢った。


 「どうしました?」


 趙燕が優しい顔をし、水蓮に近付き、話しかけると

水蓮はまるで少女のような可愛らしい眼差しで


 「あの…… 我箕がどちらか、知っていますか?」


 と話しかけてきた趙燕に何の疑いもなく、

我箕の場所を訊いた。

 趙燕はあまりにも無防備に自分に尋ねてきた水蓮に


 『えっ?……』


 と驚いたものの、


 「我箕なら……」


 と水蓮に我箕までの道を教えた。

 水蓮は趙燕が教えてくれた我箕の方を見ると


 「ありがとうございました!」


 趙燕に深々とお礼を言うと我箕とは逆の方へと

歩き出した。


 「違う、違う…… そっちじゃないよ!」


 趙燕は慌てて、水蓮に駆け寄り、呼び止めた。


 『えっ?……』


 水蓮は驚いた顔で辺りを見回すと


 「ご、ごめんなさい……」


 少女のような顔で趙燕に謝った。

 趙燕はそんな水蓮に噴出しそうになりながら


 「良いよ…… 俺が案内してあげるよ!」


 というと水蓮を自分が乗っている馬に乗せると

馬を反転させ、我箕に向けて、駆け出した。



 その頃……


 中々、自分のアジトに趙燕が戻って来ないのに

我箕に捕まったと思った蒙虎幻は趙燕を取り戻すべく、

再び、残っている手下を引き連れ、我箕へと向かい、

動き出した。


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