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劉・小狼は目の前にいる智龍らを見詰めながら
「単なる私の勘です! 身なりや立ち振る舞いから
そうかなぁ?と思いまして……」
と答えると孔游を含め、関遼らもびっくり顔を見せた。
智龍も驚いたが劉・小狼らを温かく迎え、宴を開き、
雑談をした。
だが、さすが、4侯の一人の智龍だけはあって、
雑談の中でも鋭い質問を劉・小狼にぶつけていた。
劉・小狼も智龍の鋭い質問に臆することなく、
自分の言葉で一つずつ、答えた。
劉・小狼の一言、一言に智龍はしっかりした
信念があるのを感じ取り、関心をしていた。
そんな時、智龍と劉・小狼らの宴に突然、一人の
我箕を護る兵が駆け込んできた。
密かに4侯の一人の牙狛侯の支援を受けた蒐賽は
かつての自分の拠点・我箕の近くの
山賊・蒙虎幻の力を借り、
かつての自分の拠点・我箕を攻めたのだった。
その我箕の攻撃を聞かされ、慌てる孔游を劉・小狼は制し、
知らせに来た兵に
「住民を速やかに避難させ、防御兵らに訓練通りに
敵を撃退せよ!……」
と命じ、智龍侯から借りた早馬で我箕に返した。
智龍侯は劉・小狼の出した命令に冷静な顔をしながら
「戻られないで宜しいのか?……」
と言うと劉・小狼は智龍侯のことを見詰めながら
「ええぇ…… 恐らく、大丈夫でしょう……
攻めて来たのはおそらく、近くの山賊でしょうから……」
と答えた。
すると、劉・小狼らがいる部屋にまた別の兵が
血相を変えて、入ってきた。
智龍侯の劉・小狼のもとに山賊が攻めて来たことを
報告に行っていた兵は我箕に戻ると劉・小狼の命令を
我箕の防御兵に伝えた。
我箕の防御兵は直ちに我箕の民を安全な場所に避難させると
山賊の蒙虎幻を迎え撃つべく、それぞれの持ち場に付いた。
我箕の防御兵がそれぞれの持ち場に付くと
数千の兵を引き連れた蒙虎幻が我箕の近くに現れた。
我箕の兵らはすぐには蒙虎幻に攻撃を仕掛けず、
様子を伺っていた。
蒙虎幻はそんなこととは知らずに我箕に人気がないことに
「はははぁ…… アイツ(劉・小狼)らは
我らに恐れをなし、逃げよったわい!」
と大いに喜び、再び、我箕に向けて、兵を進めた。
あまりにも我箕に人気がないことに
「ちょっと、お待ちを……」
と一人の若き男(趙燕)が蒙虎幻を呼び止めた。
「なんだ! 客人」
蒙虎幻は立ち止まると話しかけた趙燕にそう訊いた。
趙燕は我箕の方を見詰めながら
「全軍を我箕に向かわせるのはあまりにも危険だと
思うのですが……」
と言うが蒙虎幻も我箕の方を見ながら
「はははぁ…… 誰も居ない所にいっても
何も危険なことはあるまい!」
と笑って言った。
趙燕は我箕の方を見詰めたまま、
「そ、そうでしょうか?……」
と言ったものの、大きな不安が襲っていた。
「何かあるといけませんから私はここに残ります!」
趙燕がそう言うと蒙虎幻は不機嫌そうな顔をしながら
「勝手にせい!」
と言うと再び、兵と共に我箕へと向かった。