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我箕での劉・小狼のことは治世の智龍侯の耳にも入り、
そんな劉・小狼のことが気になった
智龍侯は自分の領地へ劉・小狼らを招いた。
突然、面識のない4侯の一人の智龍侯から招待を受けたのに
びっくりした劉・小狼はどうして良いのかわからず、
沙隆の孔游に対応を相談した。
劉・小狼から相談を受けた孔游は供の透徹を連れて、
劉・小狼らが護る我箕へとやって来た。
孔游も訳がわからなかったがとりあえず、
我箕の護りを透徹に任せ、劉・小狼らを連れ、
4侯の一人の智龍侯の居城がある頭臥山へと向かった。
頭臥山丸ごとが天然の要塞みたいなものでその山の下では
豊かに栄えた街が広がっていた。
孔游らが頭臥山に着くと智龍侯の配下の瓚轍が
孔游らを手厚く、頭臥山の中へと招き入れた。
劉・小狼らと孔游が瓚轍に案内され、頭臥山内の
広い広間のような所で待っていると奥の方から
七福神の恵比寿さまのような男と小脇に厚手の
本のようなものを抱えた細身の男が現れた。
恵比寿さまのような男は劉・小狼らに愛想良く、
笑顔を振りまきながら
「遅れてすまんなぁ…… わしがこの頭臥山を護る
4侯の一人の智龍だ!」
と言い、劉・小狼らの前の玉座に腰を下ろした。
細身の男は何も言わず、玉座に座った男の傍に立った。
孔游は玉座に座った恵比寿さまのような男に
「お初にお目にかかります。沙隆を護る孔游と申します。
以後、お見知りおきを……」
と言い、その玉座に座る恵比寿さまのような男に拝礼をした。
「お初にお目にかかります。 今、我箕を治めさせています。
劉・小狼と言います。 以後、お見知りおきを……」
劉・小狼も孔游に習い、拝礼をしたが劉・小狼が拝礼をしたのは
恵比寿さまのよう男じゃなく、その脇にいる細身の男の方だった。
突然の劉・小狼の行動にその場にいた誰もが驚いたが
暫くすると恵比寿さまのような男の脇に立っていた細身の男は
「よく、私が4侯の一人の智龍とわかりましたね……」
とにこやかな笑顔を劉・小狼に注いだ。
孔游は細身の男【智龍】のそんな言葉に驚いていたが
「じゃあ…… そちらの方は?……」
と智龍に尋ねると智龍は自分の玉座に座っている
恵比寿さまのような男を見ながら
「この者は私の所で参謀をしている
燦牙と言う者です……」
と答えた。
燦牙は智龍の玉座から立ち上がり、その場から退くと
劉・小狼を見ながら
「しかし、度胸のあるお方だ…… なぜ、私が智龍じゃないと
わかったのですか? もし間違えば、命がないかもしれないのに……」
と劉・小狼に尋ねた。