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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第1章
15/136

 15

 自分の兵の矢が全然、自分を挑発している

張爛に当たらないのに激怒した蒐賽は


 「兵を繰り出し、奴(張爛)を仕留めよ!」


 と自分の兵に命じた。

 命令を受けた蒐賽の兵は蒐賽の部下・戯怨ぎおん

指揮のもと、勢い良く、陣から飛び出し、張爛を捕まえるべく、

張爛へと向かってきた。

 張爛は陣から出てきた蒐賽の兵を見ながら


 「おおぉ!…… 出てきた、出てきた……

では、そろそろ、行くか!」


 というと自分が乗っている馬を翻し、その場から

逃げ出すように駆け出した。

 戯怨は自分が罠に掛かっているのも知らずに

ほぼ全軍の蒐賽の兵に


 「敵は逃げたぞ! 追いかけろう!」


 と言い、張爛の後を追いかけた。

 張爛は蒐賽の部下・戯怨が率いている蒐賽の兵を

劉・小狼と関遼が待ち構えている龍臥望へと誘い込んだ。


 張爛は龍臥望が見えると一気に馬の歩みを速め、

劉・小狼と関遼のもとへと向かった。

 突然、目の前にいた張爛が前方の森(龍臥望)に

駆け込んだのを見えて、


 『追詰めたぞ!』


 と思った戯怨は


 「森に逃げ込んだぞ! 追いかけろう!」


 と蒐賽の兵に命じた。

 命を受けた蒐賽の兵は歩みを速め、張爛が消えた

前方の森(龍臥望)へと向かおうとしたその時……

 龍臥望に隠れていた劉・小狼と関遼が現れ、

蒐賽の兵に向かって、矢を射掛けた。

 突然、現れた劉・小狼と関遼が放つ矢に驚いた

蒐賽の兵は大混乱に陥った。

 戯怨が率いる、蒐賽の兵はたちまち、大混乱に陥った。

 戯怨はすぐさま、大混乱に陥った兵を立て直そうとしたが

劉・小狼らの攻撃になすすべもなく、敗れ去り、

劉・小狼らに戯怨は討ち取られた。

 命からがら、蒐賽の陣に戻った兵は蒐賽に戯怨が討ち取られ、

兵の多くを失ったことを報告すると


 「な、なに!……」


 蒐賽はひどく驚いた。


 『このままだとまずい!』


 と思った蒐賽は老霍へ兵と兵糧を借りるべく、

老霍の陣に赴いたがすでに老霍はおろか、

老霍の兵すら、何処にもいなかった。

 蒐賽は老霍に見捨てられたのだった。

 蒐賽はどうする事も出来ずに兵を

引き上げるしかなかった。

 こうして、劉・小狼らの奇襲によって、

沙隆の危機は一先ず、去った。

 劉・小狼らが蒐賽の兵を撃退したことは孔游の沙隆にも

すぐ知らせが入った。

 劉・小狼らが沙隆へと戻ると沙隆の民、総出で

劉・小狼らが蒐賽の兵を撃退した事を祝った。

 劉・小狼らはそんな沙隆の民の行為に喜びながらも

神妙な面持ちで孔游の前に歩み出ると


 「すみません。 命令を無視して、勝手なまねをして!」


 と劉・小狼が孔游に謝ると孔游は初めは険しい目で

劉・小狼らのことを見ていたがすぐに優しい顔に戻り、


 「何を言う…… 我らの為に良くぞ、蒐賽の兵を

撃退してくれた。 まあ。今宵はゆっくりと

我のもとで休まれよ!」


 と言い、劉・小狼らの功績を称え、

劉・小狼らのことを許した。


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