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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
第1章
14/136

 14

 劉・小狼らが龍臥望へと向かっている頃……


 孔游らはやっと、劉・小狼の置手紙を見つけ、

劉・小狼らが沙隆からいなくなったことに気付いた。

 劉・小狼の置手紙を詠む孔游に透徹は


 「どうしますか? 兵を差し向け、

強引に呼び戻しますか? 今なら、まだ間にあうかと……」


 と言ったが劉・小狼の置手紙を詠み終わった孔游は

遥か、沙隆の外の風景を眺めながら


 「ほっとけ! 今、ここの兵を割くのはマズイ!

それより、一層に防備を固めよ!……」


 というと透徹の前から立ち去った。

 孔游は透徹の前から立ち去るとその足で

月影のもとにやって来た。

 孔游は険しい顔で月影を見詰めていると

そんな孔游の様子をわかっていたかのように冷静な顔で


 「奴(劉・小狼)らがここからいなくなったのだろう……

で、わしに何の用じゃ?」


 月影は孔游にそう言った。

 孔游は険しい顔をしたまま、


 「実は…… 月影さまの鬨影ときかげをお貸しして

欲しいのですが……」


 と月影を見詰め、数枚の手紙を握り締めた。

 そんな孔游の姿を見て、察した月影は何も言わず、

孔游に自分の愛鳥・鬨影を貸した。

 孔游はすぐさま、この水霞堯の四方をそれぞれ、

護っている北の黒武こくぶ侯・西の牙狛がはく侯・

南の龐炎ほうえん侯・東の智龍ちりゅうの王らに

鬨影を使い、手紙を送った。

 孔游の手紙によって、蒐賽と老霍が孔游の沙隆に

攻めかかっていることが知れ、西の王・牙狛侯は酷く怒り、

老霍へとすぐに退却命令を出した。

 牙狛侯の退却命令はすぐさま、蒐賽の耳にも入り、

慌てて、老霍の陣へとやって来た。

 老霍は険しい顔のまま、


 「すまぬが…… 牙狛侯の命(令)でわしは

ここで退かせてもらう」


 と自分のもとにやって来た蒐賽にそう言った。

 蒐賽は激怒をしながら、


 「そんな訳にはいきませんよ! 私も老霍さまも許可なく、

兵を動かしたのですからただではすみませんよ……」


 というと老霍はそんな蒐賽に激怒をしながら


 「わしを脅迫するのか? そもそも、こんなことに

巻き込んだのはお主ではないか!」


 と言い、老霍の陣で言い争っていると


 「た、大変です!…… 蒐賽さま!」


 と言い、蒐賽の手下が老霍の陣の中に入ってきた。

 蒐賽が配下の者と慌てて、陣に戻ると

蒐賽の陣から少し離れたところに馬に跨り、

大きな槍を振り回す張爛が


 「おーい! 腰抜けども。かかってこい!

この張爛さまが相手をしてやる!……」


 と怒鳴り声を上げ、蒐賽の陣に向かって、

挑発を繰り返していた。

 蒐賽はそんな太太しい態度の張爛に苛立ちながら


 「あの者(張爛)を射殺せ!」


 と命令をした。

 ただちに弓隊は張爛に目掛けて、矢を放ったが

矢の当たらない絶妙な位置にいる張爛に

矢が当たることはなかった。


 「矢ですら、当たらないのか……」


 張爛はバカにするように更に蒐賽の陣を挑発した。


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