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仙龍創乱3  作者: 劉・小狼
 第6章
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 第6章 6

 龐悦が立て籠もっている出城を遠くの木の上から見ていた

4つの影の一つが


 「ここも直に落ちるな…… だが、このまま、すんなり落ちては

面白くはないな…… 少し、我らの手で面白くするか?」


 というと他の影は怪しく微笑んだかと思うと

4つの影はその姿をまるで幽霊が消えるようにその姿を消し去った。

 次に4つの怪しき影が現れたのは死鏡により、

閉じ込められている水蓮がいる火竜関だった。


 郭閲の軍勢を抜け、どうやって、龐悦が立て籠もる出城に

向かうかを死鏡が真剣に悩んでいたが突然、異様な気配に気付き、

辺りを見廻した。

 そこには見たこともない服に身を包んだ者らが

4人、立っていた。

 突然、自分の前に現れた怪しげ者(漸【ぜん】)らに

死鏡は持っていた剣を構えると


 「何だ! お前たちは?……」


 漸らに襲い掛かったが死鏡の剣が当たる寸前に

漸らは死鏡の前から幽霊のようにパッと消え去ったかと

思うと次の瞬間、死鏡が着ている鎧に無数の凹みが現れると

死鏡は後ろへと吹き飛んだ。

 死鏡が吹き飛んだと同時に漸らは再び、その姿を現した。

 物凄い音に死鏡が造った泥兵が漸らの前に現れたが


 「目障りだな……」


 漸の仲間の炎はそう言うと手に纏ったほのお

泥兵を一蹴し、打ち倒した。

 漸らは瞬く間に死鏡がいる火竜関を圧倒的な力で

制圧した。

 火竜関の近くの高台から様子を伺っていた

郭瑜の息子・郭閲は火竜関の異変に気がつき、


 「これはまずい!」


 その場に配下の者らに任せ、自分は父親である

郭瑜の元に報せ向かった。

 郭閲から知らせを受けた劉・小狼は


 「何! それはいかん!……」


 直ちに火竜関に向かおうとした。


 「小狼さま。お待ちを…… 今、この場所を

離れるのはまずいです! 我が軍が両方から挟まれ、

総崩れになります!……」


 郭瑜は劉・小狼が火竜関に向かうのを引き止めた。

 劉・小狼は怖い顔で郭瑜のことを睨み付けながら


 「何とかせい! 後はそなたに任せる!……」


 郭瑜に全指揮権を任せると愛馬に跨り、

妻である水蓮が捕らわれている火竜関に向かった。


 「郭閲。趙彌ちょうび。絶対、小狼さまを

死なせてはなりませんよ……  命に代えてもそなた達が

小狼さまをお護りしなさい!」


 郭瑜は自分の息子の郭閲と趙燕の息子・趙彌を

劉・小狼を護る為に火竜関に向かわせた。

 大将を失った郭瑜は呆然と龐悦が立て籠もる

出城を見ながら


 「さて。どうしたものか?……」


 と呟いた。

 火竜関に劉・小狼が着たのに気がついた漸は


 「もう良かろう!…… 後は任せたぞ! 死鏡」


 洗脳し、パワーアップした死鏡に再び、

火竜関を任せるとその姿を消し去った。

 郭閲の兵がいる所に着いた劉・小狼は後からやってきた

郭閲に


 「あの火竜関をどうやって攻める?」


 と訊いた。

 郭閲は火竜関を見ながら


 「ここは少々、損害が出るかもしれませんが

火竜関内に侵入できる可能性がある正面突破が宜しいかと……」


 と劉・小狼に進言した。

 劉・小狼も火竜関を見ながら


 「そなたに任せる!」


 と言うと愛馬に再び、跨ると火竜関に駆け出した。


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