第6章 3
父である龐悦が立て籠もる出城を攻めるように
進言したが受け入れなく、突然、劉・小狼の陣から
いなくなった龐儀に張爛らは
「あいつ(龐儀)、父親の龐悦に寝返ったな!」
口々に龐儀が龐悦側に寝返った事を言った。
そんな時だった龐儀が山伏のような者の
戯邦のもとから戻ってきた。
「何しに来た!」
張爛はそう言うと戯邦のもとから戻ってきた
龐儀を捕まえた。
張爛に捕まり、龐儀は劉・小狼の前に連れて行かれた。
張爛に捕らえられ、自分らのもとに連れて来られた
龐儀に郭瑜は
「勝手に我が陣を離れて、何処に行ってたのですか?」
と問い詰めた。
「じ、実は…… 父【龐悦】が立て籠もる出城の
山側の中に山伏のように暮らす者【戯邦】らがいて、
その者らに父【龐悦】が立て籠もる出城を山側から
攻めてはもらえぬか?を頼みに行ってました……」
龐儀は正直にそう答えた。
「で…… 答えは?……」
劉・小狼は龐儀に聞き返した。
「実は…… その者らは小狼さまの家臣へと
取り立てられるのを条件に我が父・龐悦が立て籠もる出城を
攻めるそうです……」
龐儀は恐る恐る、劉・小狼らにそう告げた。
「バカを言え! そんなことが出来るか!」
張爛は怖い顔で龐儀を怒鳴りつけた。
しばらく、考えた劉・小狼は
「良かろう! その者らを家臣にしよう!
すぐに龐悦が立て籠もる出城を攻める
段取りをせよ! 孫嘉はいるか?……」
と言うと孫嘉と龐儀を龐悦が立て籠もる出城の
山側の中に山伏のように生活している邦戯のもとに
再び、向かわせた。
龐儀のことがいまいち、信用が出来なかった張爛は
密かに龐儀らの後を追いかけた。
孫嘉を連れて、再び自分のもとに現れた
龐儀をお酒を飲みながら
「話は纏まったか?……」
邦戯は龐儀にそう言った。
「ああぁ…… 我らのお頭・劉・小狼さまは
そなたらが協力してくれるなら、仲間に加えようと……
どうする?」
龐儀は邦戯にそう言った。
邦戯は嬉しそうにお酒を飲みながら
「話は決まった!」
と言うと
「お頭! 大変です!……」
邦戯の手下が慌てて、邦戯のもとにやって来た。
龐義らが邦戯と共に邦戯の手下が案内した場所に向かうと
そこでは他の邦戯の手下を相手に暴れている張爛の姿があった。
「な、何をやっているのですか? 張爛殿」
邦戯の手下を相手に暴れている張爛を
孫嘉は怒鳴り付けた。
孫嘉の声に張爛はやっと、暴れるのをやめ、
大人しくなった。
自分の手下をこてんぱんにし、孫嘉の声に
大人しくなり、地面に座り込んでいる張爛を
邦戯は見ながら
「お、面白い奴だ! どうだ!アイツ【張爛】が
わしと一騎打ちをし、アイツ【張爛】が
わしを打ち負かしたら、無条件でお主らに従おう!」
張爛との勝負を龐義らに持ちかけた。




