第5章 24
龐悦は計画通りに死鏡が劉・小狼らを龍炎国の都から遠ざけ、
自分が立て籠もっている所に釘付けにしているのを知ると
「今こそ、わしが動くときだな!……」
密かに集めていた自分の手勢と共に劉・小狼らがいない
龍炎国の都を攻めようとしたその時……
「ほ、龐悦さま。大変です!」
慌てて、龐悦のもとに兵士の一人が現れた。
「ど、どうしたのだ!」
龐悦は突然、現れた兵士にそう言うと
「た、大変です! この出城の近くに仮面の男【劉閣】の
軍勢が現れました!!」
龐悦の前に現れた兵士は龐悦に自分らがいる
出城の近くに仮面の男【劉閣】の軍勢が現れた事を伝えた。
だが、龐悦は顔色を変えず、
「良いのだ! 計画通りだ!」
と言い、構わず、龍炎国の都に攻めようとし、
自分らがいる出城から出ようとした。
龐悦は洗脳した韓忌が上手くやり、
仮面の男【劉閣】の兵を率いて、自分の前に現れたと思い、
劉・小狼らがいない龍炎国の都を攻めるべく、
自分が気付き、反乱を起こした出城の門を開け、
外に出ようとしたその時……
出城から兵を引き連れ、現れた龐悦に仮面の男【劉閣】は
「よし。敵【龐悦】が出てきたぞ! 兵共々、撃て!」
と引き連れてきた自分の兵に命令を下した。
命令を受けた兵は一斉に出城から出てきた
龐悦の兵に向かって、矢の雨を浴びせた。
突然のことに訳がわからず、龐悦の兵は大混乱に陥った。
突然の仮面の男【劉閣】の兵の攻撃を受け、
大混乱を起こしている自分の兵を見た龐悦は
『いかん! このままだと壊滅する!』
と思い、慌てて、自分が築城した出城に舞い戻り、
城門を硬く閉めた。
城の中に戻った龐悦は
「どうなっているのだ!……」
激怒していると突然、一陣の風と共に闇の中から
黒装束を着た怪しげな男【怒鬼】が現れた。
突然、闇の中から現れた怪しげな男【怒鬼】は
死鏡が自分の代わりに龐悦の補佐役に就けていた者だった。
突然、闇の中から現れた怒鬼に龐悦は
「一体、韓忌は何をやっているのだ!」
と怒鳴りつけた。
「じ、実は…… 韓忌殿は計画がバレ、
軟禁されています!」
怒鬼は韓忌が置かれている状況を龐悦に話した。
「な、なんだと!……」
龐悦は驚いた顔をした。
自分の兵を3分の1も失った龐悦は
『このままだと我が、夢が潰える!』
と思い、龐悦は怒鬼に次の手を指示した。
龐悦のもとから消え去った怒鬼は仮面の男【劉閣】の領地で
謹慎している韓忌のもとにやって来た。
突然、現れた怒鬼に驚いている韓忌に怒鬼は
「韓忌さま。 龐悦さまがお怒りですよ!
どうなさるのですか?……」
と言うと
「我にどうしろと言うのだ!」
韓忌がキレ気味に怒鬼に言うと
「何を言っているのですか! 絶好の機会じゃないですか!
今、貴方を縛り付けていた者らはこの地に
居ないのですよ!…… 貴方がこの地を手に入れる
機会じゃないですか!」
怒鬼は韓忌を謀反に唆した。




